「ただの練習機じゃないですよ」三菱の空自向け新型に、妙な“穴”があいていたワケ
三菱重工業がDSEI Japan 2025にて、航空自衛隊向けの新型練習機「T-X」のコンセプトを発表。その機体には妙な“穴”がありました。T-Xは他にも候補機がありますが、この穴から、ある“トレンド”が見えてきます。
もしかしたら“かなりマルチ”な軍用機に…?
現在では軽戦闘機に搭載できるレーダーも高性能化が進んでいます。ポーランドとマレーシアは、前に述べたT-50の軽戦闘/攻撃機型であるFA-50の導入を進めていますが、両国のFA-50にはRTXコーポレーション(旧レイセオン)が開発した「ファントムストライク」レーダーの搭載が決まっています。

ファントムストライクはF-2やF-35戦闘機などに搭載されているのと同じ、探知距離の長いAESAレーダーで、小型であることからUASやヘリコプターなどにも搭載できます。
DSEI Japan 2025の開催期間中、RTXコーポレーションは幕張でファントムストライクのメディア向け説明会を開催しています。この説明会で筆者は、「T-Xにファントムストライクを搭載するための話し合いを防衛省・航空自衛隊と行っているのか」と質問しました。
RTXコーポレーションの担当者は、防衛省・航空自衛隊から具体的な要求は発出されていないと断った上で、「話し合い自体は行っている」ことを明らかにしています。
前に述べた三菱重工業の説明担当者は、T-Xは脅威度の低い目標への対処だけでなく、現在はF-15DJ戦闘機が行っている、高度な戦闘訓練にも使われる可能性があるとの見通しを示していました。
現在運用されているT-4は、新人パイロットの教育訓練や基地間の人員の移動などに使われる航空機ですが、DSEI Japan 2025での展示を見る限り、主要な航空機メーカーはT-Xについて、T-4とはかなり毛色の異なる航空機になると見ているようです。
Writer: 竹内 修(軍事ジャーナリスト)
軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。
F-16やF-2の様なブレンデッドウイングになっていることから、T-4とは異次元の操縦性を持つのではないだろうか?その場合、サイドスティック、フライバイワイヤーかフライバイライト化も…
コストが見合えばだろうが…