“二刀流”どころじゃない! 最低でも三刀流以上!? 現代戦闘機は超万能マシンだった なぜ“何でも屋”になる必要が?
現代戦闘機で純粋に「戦闘機」としての任務だけをこなすものは少なくなっています。そのかわり、さまざまな任務をこなせる「マルチロール機」が主流となっています。なぜでしょうか。
ジェット機時代に移行してから本格的に考えられるように
この流れは、戦後のジェット機時代に入り、本格的に加速します。ジェットエンジンの搭載によって性能が飛躍的に向上し、ペイロードが増加しても速度や機動性を維持できたため、多用途の運用が可能になりました。

ただし、1950年代のジェット戦闘機は依然として制空任務に重点が置かれており、真の意味でのマルチロール機はまだ登場していません。1960年代に入ってようやく戦闘爆撃機の開発が進み、F-105「サンダーチーフ」やF-111「アードヴァーク」が登場しますが、これらはどちらかというと爆撃性能に偏り、ベトナム戦争では空戦能力が不十分とされました。
この時期に開発された機体のなかで、唯一成功例に近いのが、当初は艦上戦闘機として開発されたF-4「ファントムII」です。艦上機としての機動性が求められた結果、MiG-21のような小型機にも対応できる高い空戦能力と、優れた対地攻撃性能を併せ持ち、事実上のマルチロール機として機能しました。
その後、ベトナム戦争の戦訓を活かして開発されたF-16「ファイティング・ファルコン」やF/A-18「ホーネット」は、本格的なマルチロール機として性能を備えることになり。後の時代のスタンダードになります。
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