石破首相に知ってほしい!「日本で売って大爆死」したUSホンダ車 ユーザー目線は超大事です
日本への追加関税を発表しているアメリカ政府の軟化を狙って、政府は日系メーカーが北米で生産する自動車の逆輸入を検討しているようです。しかし、かつてホンダが輸入販売した大型ミニバンやSUVはうまくいきませんでした。
25年前のアメリカ製ホンダ車の売れ行きを見れば結論は明らか
また、日米の所得差についても無視できません。アメリカの平均所得は州や都市によって大きく異なりますが、おおよそ9万4700ドル(約1319万円)、世帯所得の中央値でも7万4580ドル(約1037万円)に達しています(ともに2023年のデータ)。一方で経済の長期低迷により、30年間も所得水準に変化が見られない日本は、平均所得も世帯所得の中央値もその半分にも達していません。すなわち、裕福なアメリカ人に対して日本人の生活は貧しいのです。
そのことは当然、購入する自動車の価格帯にも違いが生じます。アメリカでは法貨換算で500~600万円もする大型SUVやピックアップトラックが飛ぶように売れているのに対し、日本では150~250万円ほどの軽自動車やコンパクトカーがベストセラーになっています。そのような経済状況の日本で、新車価格だけでなく維持費も高いアメリカ工場で生産された大型車が、果たして売れるのか疑問が残ります。
そのことは1990年代末~2000年代中頃にかけてホンダが国内導入した北米生まれの「ラグレイト」「MDX」「エレメント」がどのような末路を辿ったかを見れば明らかでしょう。ここからはこの3台のミニバンとSUVについて紹介します。
ラグレイト
1999年に登場した「ラグレイト」はホンダのカナダ工場で生産されていた全長5150mm×全幅1935mm×全高1740mmの堂々としたボディサイズを持つ大型ミニバンです。このクルマの誕生の経緯は、北米市場で日本生まれの初代「オデッセイ」がボディの小ささや出力不足を指摘されたことで、日本仕様とは別に3.5リッターV6エンジンを積む大型ミニバンとして開発がスタート。のちに北米版「オデッセイ」、いわゆる「USオデッセイ」として販売しています。

その一方、当時の日本では日産の高級ミニバン「エルグランド」が好評を博していたこともあり、その対抗車種を求めていたホンダが白羽の矢を立てたのがこの「USオデッセイ」でした。右ハンドル化された日本仕様には、改めて「ラグレイト」の車名が付与されデビューしますが、大きすぎるボディや押し出し感のないスタイリングが仇となって販売は低迷。2005年の販売終了以降、北米向け「オデッセイ」の日本導入は見送られています。
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