「幻の貨物新幹線」半世紀残った遺構、来年にも見納めに 東京〜大阪5時間半

「貨物新幹線」の痕跡、あと1年ほどで見納めか 進む撤去作業

 利用価値がないながら、管理の手間はかかるこの「貨物新幹線計画」の痕跡、あと1年ほどで消えてしまう見込みです。

 JR東海によると、この遺構は「三島高架橋」といい、現在、その撤去作業を進めているとのこと。コンクリート製で、元々の長さは約90mでしたが、2012年8月から2014年2月にかけての工事1回目でそのうち約50mを撤去。そして2015年9月から2回目の工事を開始し、約2年で残りの部分についても撤去を予定しているといいます。

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1回目の撤去工事が終了した段階の「貨物新幹線計画」遺構。まだ床部分があるなど、2016年7月の姿とは異なっている(2014年3月、恵 知仁撮影)。

「撤去作業にともなうコンクリート片などの飛散防止や、作業中に地震などの天災が発生したときの対応などを想定し、安全に作業できる方法が確立したため、撤去することになりました」(JR東海 広報部)

 東海道新幹線で京都駅から新大阪駅へ向かい、右側にサントリーの山崎蒸留所を眺めてほどなく、車窓に一瞬、コンクリート柱——“遺構”が横切ります。それが「貨物新幹線計画」の存在を伝えてくれるのは、あとしばらくです。

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在来線経由で東京〜大阪間を約6時間で結ぶJR貨物「スーパーレールカーゴ」。2004年に運行を開始(写真出典:photolibrary)。

 ちなみに現在、在来線でですが、東京〜大阪間で「貨物新幹線」に近い列車が運行されています。コンテナ電車列車「スーパーレールカーゴ」です。

 最高速度130km/hで、東京~大阪間を約6時間で走行。機関車で貨車をけん引するのではなく、加速性能などに優れる「電車方式」であるなど、「貨物新幹線計画」と似た内容になっています。

※記事で取り上げた大阪府摂津市にある「貨物新幹線」の遺構「三島高架橋」はこの通り、2017年にも見納めになる予定ですが、これにより一切、往時の「貨物新幹線計画」にも関係する構造物類がなくなるわけではありません(8月20日追記)。

【了】

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コメント

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6件のコメント

  1. コンテナのサイズでしっかり残ってるじゃない。

  2. まぼろしにするな 貨物を走らせろ どうせ北海道新幹線は赤字 ダイヤもガラガラ 
    新幹線貨物をメインにし、あいてる時間に旅客列車をを走らせろ

    • 東洋経済の記事で見たが北海道新幹線でも営業系数は100未満で黒字。新幹線は単価高いからね。
      札幌延伸すればJR北海道の貴重な収入源になる

  3. 地図が裏表逆になっとる

    鳥飼基地は近畿道の東側(京都側)なんだが

  4. リニア新幹線が開通して今の新幹線に時間的に余裕が出来れば貨物新幹線を走らすべきだと思います
    今の物流は今後も増えると思いますので高速道路でのトラック輸送の軽減、ドライバー不足を考慮するなら
    貨物新幹線が最適だと思います
    新幹線の貨物ターミナルをうまく設計して到着したらすぐにトラックにのせて移動できるようにハード&ソフトの充実が必要と思います

  5. 使用しない構造物を長年放置すると安全上の問題が起きてくるからやむを得ず撤去することになったのではと想像します。50年近く壊さなかったのは「可能性」を残すためだったと思いたい。
    「用地」は何らかの形で保有活用しておき、新幹線貨物等を行うときに備えられないものかと思います。