「史上最大のジェットエンジン」巨大化の理由はパワーアップだけじゃない!? メーカー担当者に聞いたら納得でした
大手エンジンメーカーのGEが開発した史上最大のジェットエンジンがパリエアショーに展示されていました。巨大なエンジンは駆動音も大きく、燃費も悪そうですが、そんなことはないと言います。その理由を聞きました。
注目を集めた「史上最大のジェットエンジン」
2025年6月下旬、パリ郊外のル・ブルジェ空港で開催された「パリ国際航空宇宙ショー(パリエアショー)」において、米GE社(ゼネラル・エレクトリック・エアロスペース)が新型エンジン「GE9X」を展示しました。

GE9Xは、ボーイング社が開発中の次世代大型旅客機「777X」専用に設計されたハイバイパス比ターボファンエンジンです。推力は約10万ポンドに達し、ファンブレードの直径は約3.4mと、いずれも民間機用エンジンとして最大級の数値を誇ります。GE社はこのGE9Xについて「これまでに製造された民間航空機用エンジンの中で、最大かつ最も強力なもの」と説明しています。
GE9Xの実機展示は今回が初めてではありませんが、その“史上最大”の巨体は、展示会場でもひときわ目を引く存在で、筆者(布留川 司:ルポライター・カメラマン)も思わず足を止めました。
エンジンの近くにはGE社のスタッフが待機しており、筆者はその巨大な構造になった理由を尋ねてみました。「この大きさは推力の大きさと比例しているのですか?」という質問に対し、スタッフは「NO」と即答しました。
「もちろん大型化によって得られる推力は重要な要素ですが、GE9Xでより重視されているのは燃費性能、整備性、そして静粛性です」とGE社スタッフは語ります。
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