化け物みたいな巨砲を積む「動く要塞」ドイツが生んだ“モンスタータンク” どう使った?

第2次世界大戦中の戦車では比較的、名の知られた「ティーガーI」重戦車ですが、その派生型にロケット弾を撃つ「シュトルムティーガー」があります。この車両はどんな使い方をするのでしょう。

市街戦の切り札として誕生

「シュトルムティーガー」が搭載した砲は正式には「38cmロケット砲StuM RW61」といい、元々はドイツ海軍が、沿岸に近付く敵艦船を陸上から攻撃するために、1940年代初頭に計画したものです。

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1945(昭和20)年4月、道路上に遺棄された「シュトルムティーガー」を調べるアメリカ軍兵士。手前に落ちているのは砲の内筒(画像:アメリカ陸軍)。

 StuM RW61は1943(昭和18)年初めにほぼ完成しましたが、ドイツ陸軍が、このような兵器は海軍ではなく自分たちの管轄下に置くべきだと頑なに主張した結果、陸軍の装備になりました。こうして強力な新装備を手に入れた陸軍は、この砲を自走化し、当時劣勢が続いていたスターリングラード戦に投入することを計画します。

 スターリングラードとは、現在はヴォルゴグラードに改称したソ連(ロシア)南西部に位置する都市で、第2次世界大戦ではドイツとソ連が熾烈な市街戦を繰り広げた激戦地です。

 市街戦のため、建物や路地のひとつひとつで敵味方が入り乱れて戦っており、このような状況下では射程よりも破壊力の方が重要です。建物ごと立てこもる敵を撃破する、いうなれば移動要塞のような自走砲としてStuM RW61を使おうとドイツ陸軍は想定しました。

 ただしStuM RW61は、大きすぎて既存の自走砲の車体には搭載できなかったため、「ティーガーI」重戦車の車体を流用することになりました。こうして「ティーガーI」の数少ない派生型として「シュトルムティーガー」ができました。

 しかし陸軍は当時、1両でも多くの戦車を欲しており、新造の「ティーガーI」の車体をほかの用途に割くことを、当時の機甲兵総監ハインツ・グデーリアン将軍が反対します。そのため「シュトルムティーガー」は、修理のために前線から引き揚げられてきた損傷車体を流用して製作されることになりました。

【短っ!】これが現存する「シュトルムティーガー」の主砲です(写真)

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