目立ってナンボ!「俺を見ろ」爆撃機なぜ生まれた? 発煙弾やライトで故意にアピールまで

第2次世界大戦期、ヨーロッパ戦線の大空には、いまでは考えられないほどのカラフルでド派手な塗装を施した、とても目立つ軍用機が飛んでいました。まさに目立つことこそが目的だったというその塗装、もちろん理由があります。

ド派手軍用機の目的は先導 遊び心も満載

 ただし、「コンバットボックス」は組むまでに時間がかかります。また組んだ後も、その隊形を崩さずに飛ぶことが求められます。編隊が崩れれば、濃密な弾幕に穴が開くことになり、また編隊から落伍した機体は、各個撃破されていく危険が高まるからです。

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市松模様を全身に施したB-24「リベレーター」爆撃機(画像:帝国戦争博物館/IWM)。

 しかも編隊を組むのは、複数の飛行場から飛び立った多数の大型爆撃機でした。それらが、あらかじめ決めておいた洋上の集結ポイントに集まり、そこで編隊を組んでドイツに向けて改めて出撃していくのです。

 この集結や編隊を組む時間を短縮するために考え出されたのが、「アッセンブリーシップ」というカラフルな先導機でした。遠方からでも目立つ先導機を目指して飛んでいけば、集結ポイントに迷うことなくたどり着けるというわけです。

「アッセンブリーシップ」とは、直訳すれば「組み立てる船」ですが、要はボックス(編隊)を組むための核となる船(機体)という意味です。密集編隊を組む際、基準になるものがあると、自機の位置を把握する一助になります。

 こうして生まれたカラフル先導機は、塗装方法に規定があるわけではなかったため、飛行隊によってそのデザインは異なっており、さまざまなものが見られました。水玉模様やストライプ、市松模様だけでなく、機体によっては機首に口や目を描いたものまでありました。

【写真】これが敵国ドイツの空から生還したカラフル爆撃機です

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