将来のスクランブル対応機か!? 豪州の無人戦闘機プロジェクトに自衛隊も参画「次期ステルス戦闘機」との連携も視野
防衛省で行われた日豪の大臣会談において、オーストラリア軍が進める無人戦闘機の試験に航空自衛隊が参加することが明らかになりました。ただ、空自には「グローバルホーク」という無人機がすでにあります。何が違うのでしょうか。
無人機の普及の一番の理由は?
MQ-28Aはすでに8機の試験機が製造され、オーストラリア空軍の試験飛行隊によって150時間以上のテストフライトが実施されています。直近では「Capability Demonstration 2025」と呼ばれる運用実証試験を予定より4か月早く完了し、その中ではE-7「ウェッジテール」早期警戒機から実際にMQ-28Aの指揮・制御が行われ、センサー情報の共有や複数機との連携もできることが確認されています。

MQ-28Aのような無人戦闘機の開発は各国で進められており、次世代の軍用機には不可欠の要素になりつつあります。アメリカ空軍が開発中のB-21「レイダー」ステルス爆撃機やF-47次世代戦闘機、日本が参加している「GCAP(グローバル戦闘航空プログラム)」でも、無人戦闘機との連携能力が要件に含まれています。
こうした開発が進む背景には、近未来の航空戦への対応といった軍事的な理由に加え、各国が共通して抱える社会的・政治的な課題もあります。
それが、少子高齢化と戦闘機コストの高騰です。近年、世界各国では少子高齢化が進み、人手不足の影響は軍隊でも例外ではありません。さらに、次世代戦闘機(いわゆる第6世代戦闘機)は高性能化と大型化により、導入・運用コストの高騰が避けられません。
結果として、現在の戦闘機を同数で更新することは難しくなります。有人機と無人機を組み合わせることで、戦力の効率化を図り、将来的な戦闘機数の減少に対応する狙いがあります。
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