「飛行機乗る人よりカネ使う人優遇」に怒りの声も 新千歳空港の駐車料金“最大5倍”の衝撃 一体なぜ?
北海道の新千歳空港が2025年10月10日、駐車料金を大幅に値上げしました。SNSでは怒りの声も上がっていますが、その背景には空港が抱える事情と、今後の展望がありました。
「ふざけるな」最大5倍の値上げ、怒りの矛先は
北海道・札幌市の空の玄関である「新千歳空港」が2025年10月10日(金)、駐車料金を改定しました。クルマ社会の北海道では空港にクルマで向かう利用客が多く、駐車場の慢性的な混雑が課題となっており、今回の料金改定は、値上げにより利用客の公共交通機関へのシフトを促し、混雑を緩和することを目的に行われたものです。

新千歳空港には、合計5200台を上回る駐車場が用意されています。国内線と国際線ターミナル間の「A駐車場(1800台)」「B駐車場(2416台)」、両ターミナルから南に約800mの「C駐車場(1011台)」です。
注目すべきは、その値上げ幅です。A・B駐車場の場合、通常期は「1時間まで無料」は据え置きですが、「24時間ごと最大1200円」が「最大3500円」へと約2.9倍に。多客期は「24時間ごと最大1600円」が「最大4500円」へと約2.8倍になりました。
さらに、中長期利用者が主体のC駐車場は、通常期で「24時間ごと500円」が「2500円」へと5倍、多客期は「24時間ごと1000円」が「3000円」へと3倍になっています。
たとえば、新千歳空港にクルマを停めて2泊3日の旅行に出かける場合、これまではA・B駐車場で通常期3600円だったものが1万500円に、多客期では4800円が1万3500円になります。C駐車場でも通常期1500円が7500円、多客期3000円が9000円と、大きな負担増です。
この「大幅な値上げ」に、SNSでは「あほくさすぎる」「ふざけるな」など、怒りの声が上がる事態となっています。しかも、今回の料金改定が単なる値上げにとどまらない側面を持っていることが、その怒りを増幅させているようです。それは、空港施設利用者への優遇です。
新千歳空港のターミナルには、人気店が軒を連ねるレストラン街やショッピングモール、有名ブランドのチョコレート工場、映画館などが入居しており、単なる「空港の付帯施設」を超え、“飛行機に乗らない地元客”も多く訪れます。今回の料金改定では、こうした施設の利用客を対象に割引サービスが拡充され、店舗とエンタメ施設の利用でA・B駐車場は「最大8時間まで無料」、C駐車場は「最大4000円割引」となりました。
そのため「飛行機に乗る人よりも、空港でお金を使う人を優遇していること」に、怒りの焦点が向けられているのです。
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