新幹線には勝てない? かつての“ドル箱空港”また減便 今なにが強みなのか「小松空港」

北陸新幹線の延伸により、東京からのアクセスにおいて苦戦が伝えられる小松空港。しかし視点を変えると、地元住民の利用やインバウンド観光において、まだまだ大きなポテンシャルを秘めているようです。

インバウンドには“認知不足” その伸びしろ

 さらにインバウンド観光客の利用においても、小松空港は一段の“伸びしろ”があると考えられます。

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国際線出発保安検査場は2Fフロアに設けられる。出発便は多い日でも1日5便であることから、混雑とは無縁(植村祐介撮影)

金沢はインバウンド観光客に人気の都市であり、市内を歩くと日本人観光客よりもインバウンド観光客のほうが目立つほどです。さらに小松空港は和倉温泉、白川郷、永平寺など、インバウンド観光客が注目するスポットの最寄り空港でもあります。

 2024年に小松空港から入国した外国人は約7万8000人で、これは約7万人の鹿児島空港、ともに約6万1000人の北九州空港、佐賀空港、静岡空港を上回っています。しかし約19万3000人の仙台空港、約18万2000人の熊本空港、約17万8000人の高松空港などからは大きく水を空けられ、約10万7000人の広島空港、約8万4000人の函館空港、約8万3000人の岡山空港と同水準で、周辺の観光地のポテンシャルを考えると、やや物足りない数字であるとも言えます。

 小松空港を利用する日本人海外旅行者については、実質賃金の伸び悩みや円安により左右される部分も大きく、一朝一夕に大きく伸びることは困難ですが、インバウンド観光客の誘致に関しては、2025年3月に石川県が発表した「小松空港中期ビジョン」においても「立地の優位性や空港を起点としたモデルコースのPR」という項を設け、自ら認知度の不足を挙げ、対応の必要性を説いています。

 こうした施策が実を結ぶことで、小松空港はさらなる発展を目指すことができるのではないでしょうか。

【え…!】実は日本屈指の便利空港!? 「小松空港」の位置(地図/写真)

Writer:

1966年、福岡県生まれ。自動車専門誌編集部勤務を経て独立。クルマ、PC、マリン&ウインタースポーツ、国内外の旅行など多彩な趣味を通し積み重ねた経験と人脈、知的探究心がセールスポイント。カーライフ系、ニュース&エンタメ系、インタビュー記事執筆のほか、主にIT&通信分野でのB2Bウェブサイトの企画立案、制作、原稿執筆なども手がける。

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