「ホンダジェット」の珍“定員ルール”「トイレも客席扱いです」 なぜ? 新型機も同じ運用が取られるのか 機体サイズもUP

「ホンダジェット」シリーズはこれまで、「トイレも座席として扱う」運用で定員を定めていました。現在開発が進められている新型機では、どのような運用が取られるのでしょうか。

なぜ「トイレ」も定員に?

 11人も乗れるようになったのでトイレまで定員に含めなくても……と思うものの、HACIによるとその理由は「型式認証に向けて搭乗可能な乗員数を正確に伝えるため」ということでした。つまり、型式認証を与えるFAA(連邦航空局)へ、燃料や貨物の搭載量に加えて広くなった機内スペースへ、1人でも多く客席数を収容できると示した方が、実際の運航で柔軟性が広がると判断したと推測できます。

 出来る限りの性能向上を狙った「エシュロン」ですが、これ以外にも同じLJクラスの競合機より20%、より上の中型クラスの機種より40%以上の燃費向上を狙っています。客室内も静粛性を高くしているとのことです。そして、肝心のテスト機の製造の進み具合については、「主要な(鍵となる)システムや2次構造部材に関して良い経過で進んでいる」とし、計画通りに運んでいると回答にありました。

「エシュロン」の初飛行は2026年に予定され、型式認証の取得は2028年を目標にしています。これまでに発表されたイメージ図を見ると、「エシュロン」は「エリートII」に比べて明らかに胴体が長くなっています。実機はどのようなルックスとなるのか、テスト機の完成が待ち遠しくあります。

【画像】えっ…これが「新型ホンダジェット」驚愕の機内です

Writer:

さがら せいぞう。航空月刊誌を中心に、軍民を問わず航空関係の執筆を続ける。著書に、航空自衛隊の戦闘機選定の歴史を追った「F-Xの真実」(秀和システム)がある。

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