海自「最古参の防空艦」ついに後継艦の動き イージス・システムの眼“次世代レーダー”の候補とは? 採用されると「超ビッグなお話」に!?

海上自衛隊の第1世代イージス艦であるこんごう型。運用開始からすでに30年が経過したこともあり、後継艦の建造が取りざたされ始めました。そこで浮上してきたのが、搭載レーダーをどうするのかという問題です。候補となっているのはどんな代物なのでしょうか。

単なる「後継艦用」ではなく「10隻分」の契約になるかも…そのワケ

 このように、いずれも優れた性能と特徴を有するSPY-6とSPY-7ですが、じつは今回のこんごう型後継艦に関する調査は、単純に4隻の護衛艦を置き換えるための新型護衛艦に搭載するレーダーというだけではなく、より大きな文脈でとらえる必要があります。

 というのも、防衛省によると今回の「イージス艦に関する調査研究」は、こんごう型後継艦に加え、海上自衛隊が増勢を予定する追加2隻のイージス艦のイージス・システムおよびレーダーに関しても調査対象としています。この追加2隻のイージス艦とは、2022年に日本政府が策定したいわゆる「安保3文書」のうち、防衛力整備計画において明記されたもので、つまり海上自衛隊は今後10隻のイージス艦(ASEVを含めれば12隻)を保有することになるのです。

 さらに、海上自衛隊の既存のイージス艦であるあたご型およびまや型に関しても、搭載するレーダーを換装する「バックフィット改修」を行う可能性が取りざたされています。これは、ドックに入渠して行われる定期検査の際に、現在搭載されているSPY-1Dを取り外して、そこに新型のレーダーを取り付けるというものです。

 このバックフィット改修用レーダーとして、RTXは「SPY-6(V)4」、ロッキード・マーティンは「SPY-7(V)5」と呼ばれるバージョンをそれぞれ用意しています。筆者(稲葉義泰:軍事ライター)が取材したところ、いずれのメーカーも海上自衛隊のイージス艦に関するバックフィット改修には非常に前向きで、積極的なアピールを行っています。

 こんごう型後継艦の搭載レーダーに見事選定されたものは、最大で10隻分の搭載レーダーとして選定される可能性を秘めているわけです。

【メカメカしい…】SPY-6とSPY-7の製造現場を写真で(画像)

Writer:

軍事ライター。現代兵器動向のほか、軍事・安全保障に関連する国内法・国際法研究も行う。修士号(国際法)を取得し、現在は博士課程に在籍中。小学生の頃は「鉄道好き」、特に「ブルートレイン好き」であったが、その後兵器の魅力にひかれて現在にいたる。著書に『ここまでできる自衛隊 国際法・憲法・自衛隊法ではこうなっている』(秀和システム)など。

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