「これ1機入れちゃえば全部解決!」な夢のジェット機来日か!? イギリス新興企業が“デジタル技術”で爆速開発 じつは自衛隊にも関係大アリ!
イギリス空軍では、長年にわたり運用されてきた練習機のホークを置き換える、新たな機体の導入を模索しています。そこで、イギリスの新興企業であるエアラリス社に注目が集まっているそう。じつは同社の存在は、日本にも他人事ではないといいます。
エアラリス社がほこる「デジタル・エンジニアリング」とは
エアラリス社では、このモジュール式機体を含めた革新的な機体設計・開発システムを独自に構築しています。その核となっているのが、「デジタル・エンジニアリング」の活用です。デジタル・エンジニアリングとは、設計から製造、さらには品質管理まで、あらゆる段階でデジタル技術を活用する開発手法のことです。
たとえばエアラリス社では、機体設計の際に「デジタル・ツイン」と呼ばれる技術を活用しています。デジタル・ツインとは、実物のシステムや機体の詳細な仮想モデルを作成し、その挙動をデジタル空間(仮想空間)で再現・検証する手法のことです。コンピューター上であらかじめ仮想試験を重ねることで、試作機を作ってから問題点が発覚するというリスクを減らし、開発コストや期間の効率化につなげています。
また、エアラリス社ではデジタル・ツインを使って「実機が配備される前にその運用結果を予測する」という仕組みも導入しています。これは、設計段階のデータから各機体の運用シナリオを人工知能(AI)によって仮想的に再現し、機体配備後の整備状況や可動率、コスト推移を予測するというものです。開発段階で既にどの程度の整備体制が必要か、どの部品がボトルネックになるか、といった運用上の重要事項をデータに基づき設計に反映することが可能となり、運用効率が最適化されるようにあらかじめ機体設計を行えるようになるのです。
このデジタル・ツインと、VRゴーグルなどのツールを組み合わせることで、機体を整備する際の機内へのアクセスのしやすさを検証したり、あるいはハッチやパネルなどの位置を調整したりして、「必要な場所に整備員の手が届かない」といった致命的な設計ミスを未然に防ぐことも可能です。つまり、デジタル技術を使って、実機を製作する前に徹底的に問題を洗い出して解決し、最速で機体設計を行おうというわけです。
加えて、エアラリス社では上記のデジタル・ツインで作成した3Dモデルを含め、部品表や開発時の要件定義書など、あらゆるデータを単一のデジタル・データベースで一元管理しています。このデータベースには、関連企業はもちろん運用者である軍や政府関係者、機体の認証当局など、機体設計・製造・運用の関係者によるアクセスが許されます。たとえば、設計段階で機体に変更が加えられると、その情報は瞬時にデータベースに保管されているあらゆるデータに反映され、先述したデジタル・ツインにも変更が加えられます。
さらに、機体の運用で判明した不具合情報も即座に共有され、それに応じて部品の設計変更などを行うことが可能となります。これにより、複数企業がリアルタイムで共同設計できる体制が構築され、データの受け渡しミスやタイムラグの発生を防ぐことが出来るのです。これにより、エアラリス社では従来長い年月をかけて行われてきた航空機に設計から製造に至る一連の流れを、大幅に短縮することを目指しています。





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