「乗るのが難しすぎる支線」も抱えるローカル線、どう利用されてるの…? サスペンスみたいなダイヤ 車両は“残り5両だけの珍車”も

山口県西部を走るJR小野田線は、際立った特徴を持つ路線です。全長13.9kmながら、運転本数がわずかな支線もあります。同線の「これまで」と「今」を見ていきます。

朝は通学ラッシュ

 現在、貨物輸送はありません。旅客列車は105系電車2両編成とクモハ123形電車1両編成で運行されています。本山支線から乗ってみましょう。

 本山支線は朝2往復、夜1往復のみの運行です。2025年11月の平日火曜、長門本山18時41分発の列車に乗ります。長門本山駅のホームには点字ブロックもあり、清掃されています。

 列車はクモハ123形で、1両編成ですが、きちんとトイレもあります。全国でもここに5両のみが残る珍車で、かつては荷物車でした。乗客は筆者(安藤昌季:乗りものライター)を入れて4人のみ。途中の浜河内駅は乗り降りがなく、わずか6分で終点の雀田駅に到着しました。

 列車はここで35分停車して宇部線宇部新川駅まで乗り入れますが、小野田から来る列車が先に宇部新川まで行くため、誰も留まりません。

 翌朝水曜、今度は宇部新川6時37分発・長門本山行きに乗りました。6時51分の雀田で3人が下車。そしてここから本山支線ですが、浜河内で1人が下車しました。

 なお、本山支線の開業時には、ほかに療養所駅と子持御前駅がありましたが、1943(昭和18)年の国有化時に廃止され、現在は痕跡もありません。市街地とやぶが交互に現れるような車窓でした。7時1分に長門本山着。

 ここで折り返し、7時8分発の雀田行きにも乗りました。高校生1人と女性4人が乗車。浜河内ではさらに高校生2人と女性1人が乗車しました。7時14分、雀田着。

 ここで7時17分発の小野田行きに乗り換えます。雀田では大勢の高校生が加わり、2両編成に42人が乗っていました。7時21分の小野田港では5人下車ののち高校生40人ほどが乗車し立客が発生。さらに南小野田で3人下車・5人乗車、南中川で4人下車・20人乗車とこまめに乗り降りがあります。

 カーブが厳しく、最高25km/h制限の区間もありました。目出で1人下車・2人乗車し、有帆川を鉄橋で渡ります。終点の小野田では90人程度が下車していきました。

 こうして見ると、小野田線もなかなかの盛況に見えますが、本線も朝5往復、昼1往復、夕夜4往復と本数は少なめです。朝は30分間隔がある一方で昼は最大3時間半も列車が来ない時間帯があるなど、アンバランスなダイヤです。

 鉄道と並行する路線バスの方が利便性は高く、利用客も多いという現状ですが、住宅地を走る路線でもあり、何とか活性化してほしいものです。

【写真】これが小野田線&本山支線を走る「珍車」です

Writer:

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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