JR西日本の赤字ワースト路線はどこ? 32線区を比較 収支と輸送密度から見る厳しい実態

JR西の赤字路線ワーストは?

赤字額が最も大きな路線は?

 営業係数が大きな路線は、赤字額も大きいように見えます。しかし実際はそうではありません。JR西日本が公表した資料には、収支額は記載されていません。しかし営業係数の計算に用いられた収入額と営業費用の金額があり、この差から赤字額(収入-支出=収支・赤字額)を算出できます。

 32区間のうち、赤字額が最も大きかったのは山陰線出雲市~益田間32.5億円で、営業係数だと下位5位の線区です。次いで和歌山県南部の紀勢線新宮~白浜間31.2億円、三重県と京都府にまたがる関西線亀山~加茂間18.4億円と続きます。

 山陰線出雲市~益田間や紀勢線新宮~白浜間は距離が長く、紀勢線は特急「くろしお」も運転されています。

 下位は、芸備線備中神代~東城間の約1億6千万円が最下位です。東城付近が広島県なのを除くと岡山県内の区間にあたります。次いで山口県の小野田線全線1.7億円。短距離で路線規模が小さいために赤字額が相対的に少ないのかもしれません。

 小野田線を除くと、下位線区は芸備線と木次線が占めています。営業係数の数値が大きな路線ばかりですが、実際の赤字額は山陰線や紀勢線に比べて少額です。

 ちなみに、32線区の収支の総計は約267億円の赤字でした。この32線区は芸備線のように一つの路線を複数の区間に分けている場合もありますが、路線別だと一番の赤字路線は山陰線でした。

 山陰線は城崎温泉~浜坂~鳥取間、出雲市~益田~長門市~小串間、そして支線の長門市~仙崎間が輸送密度2000人/日未満の線区として登場します。この3線区は合計340.1kmで、32線区の合計1451.9kmの2割強にあたります。赤字額は合計68.6億円で、32線区の赤字額合計の約26%を占めます。

 ちなみに2025年3月期(2024年度)のJR西日本の決算短信を見ると、鉄道事業営業収益の合計は約9664億円、鉄道事業営業費の合計は約8553億円で、鉄道事業の営業利益は約1111億円でした。

【写真】厳しい赤字路線を走るパンダ特急

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