ホンダ日産の比ではない!? 赤字最大「4兆円」 欧州メーカー“総くずれ”は誰が悪いのか?
ホンダや日産など日本メーカーの経営危機が報じられますが、海外に目を向けると、より深刻な状況のメーカーも多数存在します。巨額の赤字を計上する欧米メーカーを襲った危機とは、どのようなものなのでしょうか。
メーカーは“被害者”でもある?
多くの自動車メーカーが苦境に陥った最大の原因は、一言で表せば「EV戦略を見誤ったツケ」でしょう。各社の事情は細かく見ていくと多少違いますが、主に欧州メーカーは近い将来EV化が急速に進むと考え、EVの開発や設備投資へ積極的に取り組んできました。なかには、エンジンの開発をやめる方針を打ち出したメーカーもあったほどです。
しかし実際には、メーカーの想定よりもEVシフトは進みませんでした。欧州のマーケットでは、EVに補助金が出されていた際は「EVの販売が好調」とされていましたが、補助金がなくなると状況が一変しました。結果、EVに対する投資が無駄となっただけでなく、エンジンを搭載した現実的な販売ラインナップも減少・陳腐化が進行。販売不振と経営悪化を招きました。
いわば各社とも、売れない商品ばかりに投資し、売れる商品への適切な投資を怠ってしまったわけですが、エンジン開発の中止や縮小にはメーカーだけでなく、EUにも重い責任があります。特に欧州のメーカーは、EUが2023年に採択した「2035年にエンジンを始めとした内燃機関車の販売を禁止する」という方針に基づき、EVシフトを進めましたが、この採択は2025年に撤回されました。メーカーの経営判断にも間違いはありましたが、彼らは行政の判断に振り回された被害者でもあるのです。
EVモデルが各国のユーザーから受け入れられず、またEVシフトの根拠であったEUの採択が撤回された今、各社はEV戦略の見直しに追われています。例えば、欧州市場での乗用車販売を100%バッテリー式電気自動車(BEV)にするとしていたステランティスは、一部EVモデルの開発や設備投資を中止。ガソリン車やディーゼル車の投入を復活・継続すると発表しています。
また、VWグループもEVへの投資やモデル開発を縮小し、今後はトヨタをはじめ日本メーカーが得意とする、フルハイブリッド車やプラグインハイブリッド車のラインナップを順次強化していく方針です。
一時は異常なほど加熱したEVシフトの動きは、各国各社でいったんトーンダウン。エンジンを搭載したモデルを再び生産・開発し、より現実的な選択肢を消費者に提案していく方向へと変化してきています。“エンジン回帰”の路線は、今後もしばらくは世界的に続くでしょう。
Writer: 西川昇吾(モータージャーナリスト)
1997年生まれ、日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。自動車専門誌やウェブ媒体、ファッション誌などで、新車情報からカスタムかー、旧車、カーライフお役立ちネタまでクルマに関して幅広く執筆。自身でのレース活動も行っている。





「2035年に販売台数の2割だけ合成燃料専用エンジンを認める」というEUの変更を、今まで通り石油燃料を使う内燃機関を売って良いように表現するのはあまり事実に即していないように見えます。単に合成燃料生産で先行するドイツに配慮しただけではないかと。
各国政府による補助金漬けは結果的に。。。ね
まだ日本には誇れるものがあるな
> また、VWグループもEVへの投資やモデル開発を縮小し、今後はトヨタをはじめ日本メーカーが得意とする、フルハイブリッド車やプラグインハイブリッド車のラインナップを順次強化していく方針です。