米軍の“誰も置き去りにしない”を証明 1人の救出に航空機155機を投入「CSAR」のスゴさとは 日本の自衛隊はどうなの?
F-15Eが撃墜された際、アメリカ軍は直ちに救出作戦を発動し、最終的には爆撃機を含めた155機もの航空機と特殊部隊まで投入する大規模作戦へと発展しました。なぜそこまでするのでしょうか。
HH-60WとA-10が担う“戦う救難”
この概念が現在の形で確立したのは1970年代のベトナム戦争で、敵地で脱出したパイロットは、捕虜にするために現地の敵対勢力に積極的に狙われることとなり、救出作戦ではそれらとの交戦が当たり前のように発生しました。これに対抗するため救出には救難ヘリに加え、護衛攻撃機や支援機が参加し、これらが一体となって作戦を行う現在のCSARの原型となりました。
現在の米空軍CSARでは、主に3種類の航空機が中核を担います。まず、実際に搭乗員を回収する救難ヘリがHH-60W「ジョリーグリーンII」です。機体側面には重機関銃や7.62mmミニガン(ガトリングガン)を装備可能で、空対空ミサイルをかく乱するチャフ・フレアや各種警報装置を備えた、まさに“戦場仕様”の救難ヘリです。
次に、CSAR任務全体を支援するHC-130J「コンバットキングII」です。この機体は救難ヘリをいち早く救出地点へ進出させるため、乗員の位置特定や無線中継を行うほか、必要に応じて物資投下やヘリコプターへの空中給油も実施します。
そして、これらCSAR参加部隊を護衛し、地上の敵部隊を攻撃するA-10C「サンダーボルトII」になります。
A-10はCSAR任務では伝統的に「サンディ(Sandy)」と呼ばれ、救難部隊と敵の間に割って入る役割を担います。多くの対地兵器を搭載し、低速で長時間飛べるA-10はCSARの護衛にピッタリの存在であり、こうしたCSAR任務への適性の高さも、A-10の退役議論が繰り返し注目される理由のひとつといえます。
また、実際に地上に降下して搭乗員を回収するのがPJ(パラレスキュージャンパー)です。医療技術に加え、場合によっては小銃を携行して戦闘にも参加する、特殊部隊に近い能力を持つ救難要員です。実際、PJになるための訓練課程は非常に厳しいものとして有名で、要求される能力の高さと選抜の厳しさから「スーパーマン・スクール」と非公式に呼ばれ、志願者の約8割が脱落するといわれています。





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