“伝説の立ち食い駅ラーメン”最後の1日って? 56年の歴史に幕、閉店が“異常事態”と化した一部始終
2026年3月末、東武スカイツリーライン西新井駅のホームにあった立ち食いラーメン店「西新井らーめん」が56年の歴史に幕を下ろしました。その最終日に密着しました。
56年営業の最後のお客さんに直撃
19時40分、お店の営業時間は20時半ですが、行列の人数と待ち時間から逆算してすこし早めに券売機が停止され、券売機前と列の最後尾には「食券販売終了」の紙をもったスタッフが立ちます。それ以降にもラーメン目当ての人がやってきましたが、食べ逃したことを残念がる様子を見せながらも、店舗や行列の様子を記念に写真撮影していきます。
「西新井らーめん」の56年の歴史において最後のお客さんになったのは50代の男性でした。話を聞こうと声を掛けると、最初はとても驚いた様子でした。「え、私にインタビューですか?いや、私でいいのかな……? 朝から並んで待っていたわけでもなく、仕事帰りにふらっと寄ったら、たまたま自分が最後になっただけですからね。でも、当たり前に誰でも食べられる普通のラーメン店ですから、こういう最後が丁度いいのかもしれませんね(笑)」。
この男性も通勤で西新井駅を日頃から利用しており、この店にも数十年も通っているそうです。「最初はお店の上の看板もいまと違っていました。当時の価格はラーメン一杯450円くらいだったかな?それから値上げして500円になり、その価格がしばらく続きました。ワンコインなのでお腹がすいたらいつでも食べられるラーメンって感じでした」。
すべてのお客さんがラーメンを食べ終え、店舗のシャッターが締められたのは21時半。ラーメンの提供は終わりましたが、現場には別れを惜しむお客さんや鉄道ファンが残っており、店舗スタッフが簡単に挨拶するイベントがありました。「56年間ありがとうございました。このお店は終わりですが、駅の側にある『駅前店』の方は営業を続けますので、そちらもよろしくお願いします」。
最後に店舗上の看板の灯が消されましたが、「あ、消える瞬間もう一度撮影します?5秒後にまた点けて消しまーす(笑)」とスタッフがサービス。なんともお気楽な感覚で56年の歴史に幕を下ろしましたが、西新井駅の日常風景となった立ち食いラーメン店にはある意味で相応しいフィナーレだったともいえるでしょう。
Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)
雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info





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