うちのほうが6日早いから“史上初”――なぜ“身内”に露骨なマウントを? 初設定の「北海道-北米」空路に思わぬ伏兵
北海道の空の玄関口を巡って2026年1月、「北海道から史上初となる唯一の北米直行便」とうたった国際線開設が発表されました。ところが約4か月後、大どんでん返しが待ち受けていました。
「史上初」のはずが…大どんでん返し
「北海道から史上初となる唯一の北米直行便」とうたってカナダの航空最大手、エア・カナダが札幌(新千歳空港、CTS)とカナダ西部のバンクーバー国際空港(YVR)を結ぶ直行便開設を発表したのは2026年1月22日のことでした。北海道と北米を結ぶ目新しさが注目を浴びましたが、発表のわずか4か月後、なんと「史上初」も「唯一」もかっさらう“伏兵”が突如出現しました。
アメリカの航空大手ユナイテッド航空が2026年5月14日、「アメリカ大陸と札幌を結ぶ初の直行便を就航します」と公表したのです。新千歳空港とアメリカ西部カリフォルニア州のサンフランシスコ国際空港(SFO)をつなぎます。バンクーバー発の運航開始は2026年12月17日ですが、サンフランシスコ発の運航開始は6日早い12月11日に設定されました。
ユナイテッドのニュースリリースが「アメリカと札幌を結ぶ初の直行便」ではなく、あえてカナダも含まれる「アメリカ大陸」と明記して対抗意識をむき出しにしています。
エア・カナダとユナイテッドはともに航空連合「スターアライアンス」に加盟しており、全日本空輸(ANA)を含めた“身内”であるはずです。にもかかわらず、「一番乗り」を巡る激しいつばぜり合いを演じる背景には複雑な競争関係がありました。
キーワードは「ジャパウ」
エア・カナダ、ユナイテッドともに運航するのはスキー客でにぎわう冬季限定となり、それぞれ週3往復します。航空機はエア・カナダがボーイングの中型機787-8型なのに対し、ユナイテッドは胴体が一回り長い787-9型を使います。
北米から北海道を訪れる場合、羽田空港または成田空港で乗り継ぐのが一般的。これが新千歳空港への直行便ならば乗り換える手間が省ける上、エア・カナダは「従来よりも移動時間が120分以上短縮される」と強調します。
両社とも新千歳空港に就航する理由として挙げたのは、北海道が誇る「世界級のスキー体験を楽しめるパウダースノー」(ユナイテッド)です。スキーにうってつけな日本のパウダースノーは「JAPOW(ジャパウ)」と呼ばれ、2025年に約4268万3600人と過去最高を更新したインバウンド(訪日客)を呼び込むのに貢献しています。中でも北海道ニセコ町は、極上の「ジャパウ」を生かしたスキーリゾートとして有名です。




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