日本の護衛艦「もがみ型」豪州への輸出に不安視も… 軍事専門誌記者が憂慮する“ボトルネック”とは
2026年4月、日本のもがみ型護衛艦(能力向上型)がオーストラリア海軍の次期汎用フリゲートとして採用され、3隻の建造契約が締結されました。歴史的な防衛装備品輸出の第一歩として注目される一方、現地建造には不安要素が潜んでいます。
GPF計画の懸念材料とは
こうした経緯から、GPF事業では戦力化までのスケジュールの順守が求められています。そこで、オーストラリア政府は、戦闘システムの英語表示への変更などを除けば、三菱重工業の提案をそのまま導入する方針です。また、アンザック級の戦闘指揮システムに携わったサーブ・オーストラリア社もGPFで協力する意向を表明しています。
ただし、もがみ型能力向上型は、日本製の魚雷やアスロック(魚雷投射ロケット)、17式艦対艦誘導弾、23式艦対空誘導弾などを搭載するのに対し、オーストラリア海軍は別種の魚雷や誘導弾を運用しており、戦闘システムの改修が必要になるかもしれません。しかし、仮にそれ以上の仕様変更の要求が生じた場合にどう対処するか、日豪のプロジェクト・マネージメントが課題となりそうです。
他方で今回、オーストラリア政府と三菱重工業が締結した契約は、最初の3隻を日本国内で建造するという内容です。そして契約はまだですが、4隻目からは西オーストラリア州パースにあるオースタル社のヘンダーソン造船所で建造されます。
同社は、アルミニウム製艦艇の建造で知られますが、現地の造船所は鉄鋼製艦艇の建造経験が乏しく、鉄鋼を使用して高い精度が求められるステルス艦の建造経験もありません。したがって、GPFを日本国内と同じ技術水準で建造することは容易ではないでしょう。
このようにオーストラリア国内でのGPF建造にはさまざまな問題が潜んでおり、計画遅延やコスト増が起きれば、ハンター級のように建造数削減のおそれもあります。それを防ぐうえでも、オーストラリアに日本の造船技術を移転し、建造能力や維持整備基盤の構築に向け、いかに支援を進めていくかが、成否のカギになると思います。
Writer: 小林春彦(月刊『軍事研究』記者)
月刊誌『軍事研究』編集部記者。編集作業の傍ら、運用者である防衛省・自衛隊および防衛装備品を作る国内外企業などの取材をもとに記事を(不定期に)執筆する。





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