鉄道・国道・高速「3本」が1か所にギュッ! 薩埵峠の“異常な絶景”が生まれたワケ
静岡市清水区の薩埵峠は、富士山と駿河湾を望む絶景スポットとして知られていますが、同時に鉄道や道路が密集する交通の要衝でもあります。なぜこの狭い場所にインフラが集中しているのか、その歴史的背景と現代における重要性に迫ります。
山と海に挟まれた「東海道の難所」
こうした特殊な景観を生み出している最大の理由が、薩埵山とその周辺の地形です。峠付近の地形は山が駿河湾のすぐ近くまで迫っており、海岸沿いにわずかな平地しかありません。現在でも市街地や道路は、山と海に挟まれた細長い帯状地形の中に形成されています。
この場所は、江戸時代から東海道の難所として知られていました。現在のような護岸や埋め立て技術がなかった時代には、高波や崖崩れによって通行不能になることも珍しくなかったとされます。歌川広重の浮世絵「東海道五十三次・由井」にも、険しい海岸線を通る旅人の様子が描かれています。
峠の北側にある由比地区は、そんな山と海に挟まれた地形にある町で、江戸時代当時は東海道五十三次の宿場町として発展した歴史を持ちます。鉄道や国道が整備される以前は、町と海岸線の距離がもっと近く、地元住民の間では「台風の翌日には、潮風で屋根のテレビアンテナが塩まみれになってテレビの映りが悪くなった」という話も残っています。また、山側に建てられた家では「午後3時くらいには日影になる」と、この土地ならではの制約がいろいろあったようです。





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