鉄道・国道・高速「3本」が1か所にギュッ! 薩埵峠の“異常な絶景”が生まれたワケ
静岡市清水区の薩埵峠は、富士山と駿河湾を望む絶景スポットとして知られていますが、同時に鉄道や道路が密集する交通の要衝でもあります。なぜこの狭い場所にインフラが集中しているのか、その歴史的背景と現代における重要性に迫ります。
日本経済の“アキレス腱”でもある?
もっとも、これだけ自然と複数の交通網が密集していると、それによる悪影響もあります。特に問題となるのが、台風による高波や、豪雨・地震に伴う地すべりです。
台風が接近すると、駿河湾沿いを通る富士由比バイパスや東名高速道路は、高波や高潮によって通行止めとなることがたびたびあります。実際、2019年の台風19号では付近の国道1号と東名高速が高波・高潮による越波によって通行止めになっています。
また、1974年の豪雨災害では、高波・高潮だけでなく大規模な地すべりが由比地区で発生し、国道1号が23日間、東海道本線が7日間もそれぞれ長期間不通となりました。
国ではこの場所の天災による脆弱性と、その被害を受けた場合の影響の大きさも理解しており、1948年から国による対策事業が続けられ、現在も大規模な地すべり防止工事が続けられています。
また、2010年代以降に順次開通した新東名高速道路は、東名高速の混雑緩和や海沿いルートの災害リスク分散などを目的として、内陸側に整備されました。
富士山の絶景で知られる薩埵峠ですが、その眼下には、江戸時代から日本の東西交通を支え続けてきた“交通インフラの大動脈”が今も集中しているのです。
Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)
雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info





コメント