引退じゃなかったの!? 新幹線で「唯一」をたくさん生んだE3系 その異端の道を振り返る
新幹線のE3系電車は、2025年の営業運行終了後も「荷物専用新幹線」に改造されるなど、話題の尽きない車両です。新幹線唯一の観光列車である「とれいゆ」と「現美新幹線」も含めて紹介します。
ミニ新幹線の第二世代として誕生
新幹線のE3系電車は、東北新幹線から在来線に直通する秋田新幹線や山形新幹線で活躍した車両です。在来線を走るため、通常の新幹線よりも車体幅が狭く「ミニ新幹線」と呼ばれます。
最初のミニ新幹線は、1990(平成2)年に山形新幹線用に開発された400系です。その後、1997(平成9)年に秋田新幹線が開業することになり、東京~盛岡間で併結するE2系に合わせた新型車両が必要とされました。そして、最高速度275km/hや起動加速度1.6km/h/sといったE2系と同等の走行性能を備えて登場したのが、E3系です。
最高速度が240km/hの400系よりも性能を向上させるため、車体をアルミニウム合金として、1車両あたり平均2tの軽量化を実現しました。なお、E2系だけでなく200系、E4系、E5系、H5系と併結したことがあります。在来線区間での最高速度は130km/hです。
接客設備は400系と大きく異なります。グリーン車は400系の1+2列から2+2列に変更。スペースは狭くなりましたが、枕が装備されるなど快適性を追求したデザインでした。普通車は、側窓が400系の座席2列に1窓から、1列に1窓に変わっています。普通車の座席間隔は、当時のJR東日本の方針で指定席が980mm、自由席が910mmと差がつけられていました。
E3系は1997(平成9)年に量産車が5両編成で登場。秋田新幹線の好評を受けて、翌年に中間車両を1両増備して6両編成化されます。この0番台は2005(平成17)年まで製造され、6次車までが存在しました。
0番台が製造中の1999(平成11)年には、山形新幹線「つばさ」用に7両編成の1000番台が登場し、2005(平成17)年まで製造されました。ベースカラーが0番台の白からシルバーメタリックに変わり、識別は容易でした。当初の最高速度は240km/hでしたが、併結相手がE2系となった2012(平成24)年からは、275km/hに引き上げられています。
そして2008(平成20)年、山形新幹線400系の置き換え用として登場したのが2000番台です。2000番台はグリーン車全席と普通車の窓際、車端部の座席に電源コンセントを装備し、テーブルサイズを拡大するなど利便性が向上しています。また、自由席車両も座席間隔を980mmに拡大しています。
鉄道車両として初めて、除菌イオンによる空気清浄機を搭載したり、フルカラーLEDを側面の行先表示器や車内案内表示器に用いたり、細かな点の改良も行われました。この2000番台の製造は、2010(平成22)年まで続きました。





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