自衛隊が「南極観測」から撤退へ!「しらせ」「専用ヘリ」共に退役で極地輸送は大丈夫? 新体制への課題とは

日本の南極観測を支えてきた海上自衛隊が、砕氷艦「しらせ」の退役を機に運用から撤退する方針を固めました。後継船はJAMSTEC、ヘリは極地研(NIPR)へと移管される新体制の全貌と、立ちはだかる輸送力低下の課題を解説します。

海上自衛隊が「南極観測船」から撤退へ

 日本の南極観測が大きな転換点を迎えます。文部科学省と防衛省は、南極観測船として使用されている砕氷艦「しらせ」(満載排水量:2万2000トン)と観測支援ヘリコプター「CH-101」の退役時期が迫っていることから、後継船などの具体的な対応に着手する2027年度概算要求までに、新たな南極への輸送体制の構築に向けた検討を進めています。

Large 20260607 01

拡大画像

南極観測船「しらせ」。海上自衛隊所属として運用されている(深水千翔撮影)

海上自衛隊は、南極観測船とヘリコプターの運用から撤退する意向を示しており、「しらせ」の後継船はJAMSTEC(海洋研究開発機構)に、ヘリはNIPR(国立極地研究所)に、それぞれ運用主体が移されます。

 日本は長年にわたって昭和基地を拠点に、南極でのさまざまな観測事業を行っています。これら継続した観測事業を支えるために、観測隊員や研究に必要な観測機材をはじめ、昭和基地や雪上車などの運用に欠かせない燃料、建築資材、食糧といった各種物資を運ぶのが南極観測船の役割であり、現行「しらせ」は1000トンを超える物資を一度に運ぶことが可能です。

 大型ヘリであるCH-101の力も大きく、昭和基地ヘリポートでの荷役を効率化するため、機内搭載を前提にスチールコンテナやドラム缶パレットなどによる輸送システムを構築してきました。

 しかし、日本の南極観測を象徴する存在として親しまれてきた「しらせ」は、2034年5月に運用期限を迎え、CH-101も2032~2033年シーズンをもって運用を終了するため、船舶とヘリの両方の後継を検討する必要があります。ただ、近年の少子化に伴う深刻な自衛官不足や、日本周辺海域における警戒監視任務の増大といった背景から、海自による現行の輸送体制を維持することが極めて困難な状況です。このため南極観測の輸送体制について抜本的な見直しが避けられない状況となりました。

【注目ポイント!】これが「しらせ」の艦内です(写真で見る)

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開
  2. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  3. 「知らなかった!」SNSで話題に 高速道路の“2つ並んだ赤い三角コーン”、実は超重要な「ある合図」だった! NEXCO公式が投稿
  4. 「断固たる措置を講じる」首都高公式ブチギレ! 「公平性を著しく損なう」非常識ドライバーに“鉄槌”…一体何が?
  5. ロシアのミサイル部品工場が「大炎上」 ウクライナ軍の航空機から発射した巡航ミサイルが「直撃」か
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号