「日本の主力戦車」が大改造へ!「車体を延ばそう」「車輪増やそう」もはや別モノに? 乗員待望の人道的装備も!?
陸上自衛隊の10式戦車が、2026年の富士総合火力演習で主砲の射撃展示を見送りました。しかしその裏では、防御力などを大幅に向上させる“生まれ変わる”ための能力向上計画が進行しています。
だから「大幅に生まれ変わる」のだ!
10式戦車に追加装備されるアクティブ防護装置については、イスラエルのエルビット・システムズが開発した「アイアンフィスト」が、またRWSも同社の製品の搭載が決定したと筆者は耳にしています。
アイアンフィストはドイツのレオパルト2A8などに搭載されるアクティブ防護システム「トロフィー」(約800kg)に比べれば軽量ですが、それでも重量は約400kgに達します。RWSの重量はユーザーの要求によって変化するので、一概に何kgとは言えませんが、現状の10式戦車が砲塔上に装備している7.62mm機銃を搭載するタイプでも、その重量は数百kgに達すると考えられます。
そこで防衛省・陸上自衛隊は、アクティブ防護システムとRWSの追加装備によって生じる重量の増加に対応するため、10式戦車の車体を若干延長し、無限軌道(キャタピラ)の内側で、履帯を支えたり回転を伝えたりする複数の小さな車輪の「転輪」の個数を、現状の5つから6つに増やすことを計画しています。
既に実績のある戦車にアクティブ防護システムとRWSを追加装備することは、世界的なトレンドとなっていますが、追加装備の重量増加に伴う機動力の低下を抑えるため、車体の延長や転輪の増加を行う事例は、筆者の知る限りほかに例はありません。
前に述べたように10式戦車は日本全土で運用する前提で開発されており、開発当時は大きな脅威と考えられていた、ゲリラやコマンド部隊との市街戦への対応能力を重視していたため、極力車体をコンパクトにまとめる必要がありました。
しかし現在の陸上自衛隊では高い防御力を持つ24式装輪装甲戦闘車やAMV XPなどを市街戦に充てて、10式戦車は国家対国家の正規戦の切り札とすべく、北海道と九州に集中配備しています。このため10式戦車は現状ほどコンパクトである必要はなく、むしろ転輪の増加や車体の延長により、柔軟な運用ができる戦車として、長期にわたって使い続けていくことは賢明なのではないかと筆者は思います。
乗員が超嬉しい「アレ」がつくかも!?
また、10式戦車の乗員にとって気になるであろうポイントもあります。それは「エアコン」です。
10式戦車には乗員用のエアコンが装備されておらず、8月に総火演が開催されていた頃は、暑さで乗員の負担は相当なものだったと筆者は耳にしています。
今回計画されている能力向上計画には乗員用エアコンの装備は含まれていないものの、アクティブ防護装置などの追加に伴って増える電子機器を冷却するためのエアコンの強化も計画されています。あくまでも電子機器用ですが、エアコンが発する冷風は乗員の肉体的な負担を軽減することは間違いなく、生まれ変わる10式戦車は、現状よりも乗員に優しくなるものと思われます。
Writer: 竹内 修(軍事ジャーナリスト)
軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。





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