郵便も核兵器も運んだ!? 「空母の宅配便」が60年の任務に幕 後継機から読む米海軍の「戦い方の変化」とは

米海軍の艦上輸送機C-2「グレイハウンド」が、60年以上におよぶ任務を終えました。後継機はCMV-22Bですが、その交代は単なる機材更新ではなく、米海軍の戦術思想そのものの変化を象徴する出来事です。

核兵器も運んだ? 「空母の宅配便」の60年

 家族から届いた一通の手紙も、戦闘機のジェットエンジンも、そして冷戦時代には核兵器さえ運んだとされる……そんな「空母の宅配便」が役目を終えました。

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2026年6月25日、空母「USSニミッツ」に最後の着艦を行う第40艦隊兵站支援飛行隊(VRC-40)「ローハイド」所属のC-2A艦上輸送機(画像:アメリカ海軍)

 アメリカ海軍の空母は、約5000人前後が乗り組んで一つの「街」にもたとえられます。さらに空母は基本単独で行動することはありませんから、護衛する駆逐艦や巡洋艦などを含めると空母打撃群全体では約7500人が生活しています。

 その空母への物資輸送任務を担ったのが、1964年11月に初飛行した艦上輸送機C-2「グレイハウンド」です。2026年6月25日、空母「USSニミッツ」に空母兵站輸送任務(Carrier Onboard Delivery:COD)で着艦して最後の荷下ろしを終え、60年以上続いた任務に幕を下ろしました。後を継いだのが、ティルトローター機のCMV-22Bです。しかし、その交代劇は単なる老朽機更新ではありません。アメリカ海軍の戦い方そのものが変わりつつあることを象徴する出来事でもあるのです。

 長期間世界中で活動する空母打撃群への兵站は、重要任務です。頻繁には母港に戻れないため行動中の補給は不可欠です。しかし補給艦による補給は届くまで時間がかかり、臨機応変ではありません。その隙間を埋めるのが、艦上輸送機による空母兵站輸送任務(COD)です。C-2は「空母の宅配便」だったのです。

 C-2は「メールプレーン」とも呼ばれていました。C-2が運んでくる郵便物は乗組員の楽しみの一つでした。艦上機の交換用ジェットエンジンも搭載できるようになっていました。また、冷戦時代には核兵器も輸送していたといわれます。

 アメリカ海軍は核兵器の運用を公表しない方針で、空母の核兵器搭載実態もC-2による核兵器輸送実績も明らかになっていません。しかし、C-2には核兵器輸送用の専用パレットや固定装置が用意されていたことが知られており、“究極の重要物資”を運んでいたのはほぼ確実とされます。

【空母の宅配便】C-2と後継機CMV-22Bを見る(写真)

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