「1発数億円」のミサイルはもう限界!? 米軍が開発する「メチャ安巡航ミサイル」すでにウクライナで使用の噂も
現代の航空戦において、1発数億円もする精密誘導兵器の「枯渇」が深刻な問題となっています。その解決策としてアメリカ軍が開発を進めているのが、1発約4000万円という格安の巡航ミサイルAGM-188A「ラスティ・ダガー」です。
ウクライナ空軍が強い関心
こうした構想は、近年の戦争が示した厳しい現実から生まれました。高性能兵器は戦術的には優秀であっても、長期戦においては生産能力とコストの壁に直面します。特にロシア・ウクライナ戦争では、精密誘導兵器の消耗速度が平時の生産能力を大幅に上回ることが明らかになりました。どれほど優れた兵器であっても、必要な数を確保できなければ戦争には勝てません。
そのため現在のアメリカ軍は、「十分な性能を持つ兵器を大量配備する」方向へと重心を移しつつあります。「ラスティ・ダガー」はその象徴的存在と言えるでしょう。
試験は現在F-16戦闘機を用いて進められていますが、その将来性はアメリカ軍だけに留まりません。特に強い関心を示しているのがウクライナです。
ウクライナ空軍は既存のMiG-29戦闘機への統合を希望しているとされます。もし実現すれば、旧ソ連製戦闘機であっても数百km離れた目標を精密攻撃できる能力を獲得することになります。これは比較的高性能なF-16や「ミラージュ2000」といった西側製戦闘機を使用せずとも、既存戦力の価値を大きく向上させる可能性を意味しています。
2026年6月には既にAGM-188Aがウクライナへ供与され、実戦投入されたとの情報が流れました。詳細は依然として不明ですが、もし事実であれば、開発段階の兵器が異例の速さで戦場へ投入されたことになります。これはアメリカ軍がAGM-188Aに対して抱く期待の大きさを示していると言えるでしょう。
Writer: 関 賢太郎(航空軍事評論家)
1981年生まれ。航空軍事記者、写真家。航空専門誌などにて活躍中であると同時に世界の航空事情を取材し、自身のウェブサイト「MASDF」(http://www.masdf.com/)でその成果を発表している。著書に『JASDF F-2』など10冊以上。





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