意見が分かれる「慣らし運転」じつは超細かく指定する車種もある!? イマドキ必要なのか?メーカーの見解は

新車購入時にかつては必須とされた「慣らし運転」。部品の精度が上がった現代では不要という声も聞かれますが、メーカーによってその考え方は異なり、なかには非常に細かい手順が指定されている車種も存在します。

最近まで生産していた「慣らし運転必須」なモデル

 しかし、そんな近年のモデルでも、説明書で慣らし運転の具体的な行程を記しているモデルが、ごく最近まで存在しました。

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BMW製のエンジンを搭載していた「GRスープラ」の説明書には、慣らし運転に関する記述が(画像:トヨタ)

 それは、先ごろ2026年3月に生産終了となったばかりの「GRスープラ」です。本モデルの取扱説明書には「(走行距離が)2000kmを超えるまでは、2000rpm以下(のエンジン回転数)で走行する」よう、はっきりと書かれています。

 GRスープラはドイツのBMWとの協業で誕生したスポーツカーで、エンジンはBMW製。実は輸入車は、今でも新車時に慣らし運転をするよう、取扱説明書で指示している車種が多く存在するのですが、こうした記載もまた、GRスープラの生い立ちが垣間見えるポイントでしょう。

 また、同じく現在は終売してしまったモデルですが、2025年8月まで生産されていた日産「GT-R」(R35型)の取扱説明書には、昔ながらの新車時の慣らし運転の行程が事細かに指示されていました。

 まず、新車時から走行距離500kmまでは「アクセルはパーシャル(一定に踏み込んだ状態)のみでゆっくりと踏み込み、エンジン回転数は3500rpm以下に抑える」「急ハンドル・急ブレーキはNG、悪路走行も禁止」といった指示がされています。GRスープラなどと比べると、慣らし運転のステップは格段に“儀式”的です。

 しかし、R35型GT-Rの慣らし運転はこれで終わりではありません。説明書の記述は「走行距離が500~1000kmの間は1~3速でアクセルはゆっくり踏み込み、全開加速はNG」「走行モードはできる限り『COMFモード』を選択し、サスペンションがストロークしやすい状態で走行する」と続きます。

 さらに「走行距離1000km~2000kmの間は、シフトレバーをMレンジに入れ、エンジン回転数は高めにキープしつつ、1速~4速の間でシフト操作を繰り返す」と、エンジンだけでなく、トランスミッションも各部をなじませるよう指示されています。

 R35型GT-Rは、これらをこなしつつ2000kmを超えた時点で「ディーラーにてアライメント点検・調整」を受けるまでが、慣らし運転の行程として明示されています。世界のスーパーカーと並び立つ性能を持つモデルだけに、まるでレーシングカーのような入念さです。

 とはいえ、これはかなり極端なケースです。今日の国産車において、慣らし運転は「昔ほど厳密には必要ないが、個別に指示されている場合は見落とさないようにする」と認識しておけば、ほとんどのモデルで間違いないでしょう。

 その一方、面倒な作業に思える慣らし運転も、見方を変えればクルマとドライバーとの距離を縮める“対話のための時間”とも捉えられます。慣らし運転が必要ないとされる現代のクルマでも、丁寧に扱ってあげればそれだけクルマへの愛着が湧いてくるでしょう。新車を買ったら、最初の1000kmほどは優しくじっくり乗ってみるのも良いかもしれません。

【3段階+終わったら点検!?】「慣らし運転」が超細かい国産車を写真で見る

Writer:

猫好きな戌年生まれ。幼い頃に見たロータス79のルックスに惚れた勢いでモータースポーツ偏愛を拗らせる。自動車のことであれば市販車・レースカー問わずなんでも食いつくが、どちらかといえば技術と歴史の話が好物。一方で海外取材は未経験のため、当面の目的は「ニュルブルクリンク北コースを自ら走ってみること」と「グッドウッド・フェスティバル現地取材」。

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