「走行音が似ている」 最高速度120キロ「日本の怪力気動車」 海外にいる“進化版”とは?

カナダ最大都市トロントの空港アクセス鉄道では、日本の車両メーカーが製造したディーゼル車両が活躍しています。乗ってみると、日本の「あの列車」と走行音がそっくりでした。

まるで新幹線の「Sシート」

「UP」の名称と引っかけて上向きの矢印を描いたまくら付きのクロスシート座席は、背面に収納式のテーブルがあります。折りたたみ式のひじ掛けも付いており、壁面には電源コンセントも用意しています。頭上には読書灯もあり、荷棚は航空機のように扉を開閉して収納するタイプです。

 この列車はWi-Fiも無料で利用できるため、乗車中は東海道・山陽新幹線の「Sワークシート」のように“移動式オフィス”として活用することも可能です。

 なお、座席は固定式で、背もたれを倒すことはできません。方向転換も不可能で、車両の位置によって座席の向きが前後両方あります。座席は硬めの座り心地ながらも快適で、個人的な意見ではリクライニングも方向転換も必要性を感じません。

三重県あたりで聞いた音の「高性能版」エンジン!

 列車が発車し、床下からディーゼルエンジンの力強い音が聞こえてきました。その音は、JR東海の名古屋―鳥羽(三重県鳥羽市)間を走る快速「みえ」に乗った時をほうふつとさせました。

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UPエクスプレスの壁にある「NIPPON SHARYO 2013」の銘板(大塚圭一郎撮影)

 快速「みえ」に使っているキハ75形も、UPエクスプレスと同じく日本車両が造りました。機種は異なるものの、ともにアメリカのカミンズ製ディーゼルエンジンを搭載しているため似た音に聞こえるようです。

 1両に350馬力のエンジンを2基搭載したキハ75形で運転する快速「みえ」は、最高運転速度が120km/h、表定速度約84km/hと国内最速の気動車快速になったことで脚光を浴びました。これに対し、UPエクスプレスの最高運転時速は約140km/hと輪をかけて“俊足”で、1両に積んでいる760馬力エンジンは「高速のトルク応答、スムーズな動力伝達、静粛な運転を実現するとともに、世界で最も厳しい排ガス規制にも対応した」(カミンズ)そうです。

 UPエクスプレスはしばらく高架の専用線を走った後、地上に降りるとGOトランジットの路線「キッチェナー線」などが使う線路に合流。高層住宅などが並ぶウェストン、トロント交通局(TTC)の2026年2月に開業したばかりの次世代型路面電車(LRT)路線「エグリントン線」と接続するマウント・デニス、ブロアの各駅に停車後、1面1線のユニオン駅に滑り込みました。

【写真】これが「音がそっくり」な日本の俊足気動車です!

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