なぜ零戦は限界を超えて改造され続けたのか。元テストパイロットが明かす「最初と最後で性能50%差」の真実【大戦「その時」】

“紀元2600年”にデビューするやたちまちのうちに世界第一の傑作機の実力をそなえた戦闘機として君臨し、中国大陸はもとより太平洋戦争の緒戦においては連合軍を恐怖のドン底につきおとした名機の一代記を振り返ります。

この記事の目次

・最初と最終では50%の性能の差

・傑作機ゆえに立ちおくれた後継機問題

・高性能54型丙も時すでにおそし

最初と最終では50%の性能の差

※本記事は月刊『丸』(潮書房光人新社)2023年10月号に掲載された、旧日本海軍の元テストパイロット・海軍中佐、福田皓文氏の回想録を改訂・編集したものです。

「零戦といってもいろいろございます」

 一般には零戦といえば終始おなじものと考えられているが、専門的な目でみれば装備された発動機、またその性能などを比較しても、最初の型と最後のものは40~50%の性能差があって、完全に一時代ちがう別機種と考えていいくらいである。

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大陸上空を飛ぶ十二空所属の零戦二一型(画像:月刊『丸』提供)

 しかし、べつな角度からみると、零戦が実用され、しかもはじめて実戦にでてから引退するまで正味5年間、開発時期をくわえると8年を経過しており、とくに戦時非常の時期であったことをかんがえると、そのくらいの性能アップはあたりまえであるともいえる。

 むしろこれから述べるような零戦の改造型がなぜ次から次へとでてきたのか? という点を考えてみるほうが、意味があるとおもう。

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Writer:

1948(昭和23)年2月に創刊した、80年近い歴史をもつ月刊誌。第二次世界大戦における戦争体験者の生の声を収集し、大戦当時の貴重な写真を掲載。発刊元は株式会社潮書房光人新社。

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