欧州版 自爆ドローン兵器登場! 大量に送り込むのが大事? フランスの考える戦法とは
フランス・パリ近郊で開催された防衛装備展示会「ユーロサトリ」において、欧州ミサイル大手MBDAは、新型の長距離ドローン兵器「DELUGE(デルージュ)」の実物大モックアップを披露しました。
ドローンと巡航ミサイルの連携
MBDAは、このデルージュをどのように運用することを考えているのでしょうか。そのヒントは、ユーロサトリでの展示方法にありました。
MBDAのブースではデルージュを単独で展示するのではなく、新型の長距離巡航ミサイル「LCM(Land Cruise Missile)/NCM Mk2」のモックアップと並べて展示していました。これは両者を組み合わせた長距離攻撃を想定しているためです。
デルージュは敵のレーダーや地対空ミサイル陣地そのものを破壊することだけが目的ではありません。数十機規模で一斉に発射することで敵防空システムに迎撃を強要し、迎撃ミサイルやレーダー運用を疲弊させる「飽和攻撃」を実施します。その間に、防空網を突破した本命ともいえる巡航ミサイルが重要目標を攻撃するという役割分担が想定されています。
さらにMBDAは、デルージュと同じコンセプトで、より大型・高性能のドローン兵器「CROSSBOW(クロスボウ)」も開発しています。同社は、デルージュによる飽和攻撃、クロスボウによる高価値目標への攻撃、そしてLCM(巡航ミサイル)による長距離精密打撃を組み合わせた長距離攻撃体系を提案しており、それぞれ能力の異なる兵器を連携させることで、防空網の突破力と攻撃効率の向上を狙っています。
これまで長距離精密攻撃の主役だった巡航ミサイルに、低コストである片道型攻撃ドローンを組み合わせるという発想は、ウクライナ戦争で得られた教訓を色濃く反映したものと言えるでしょう。デルージュの登場は、巡航ミサイル単独ではなく、能力や価格の異なる兵器を組み合わせて防空網を突破するという、ウクライナや中東で見られる新たな長距離攻撃の発想が、欧州にも伝播したことを象徴する兵器となりそうです。
Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)
雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info





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