マジで「砲弾」がものの数十分で「包丁」になった…! 世界で愛好される「戦いの島の名産品」づくりを実見! 「砲弾は空からの贈り物」と匠
中国大陸の目と鼻の位置にある島「金門」では、過去に大きく2度、中国大陸側との戦争がありました。その厳しい歴史の中から生まれた“名産品”があります。
わずか数十分で完成 伝統の“神業”
現在の「金合利鋼刀」では約300種の「金門包丁」をラインナップしていますが、今も昔ながらの製法を守り、1品ずつ手作りで製造しています。
取材時、呉増棟氏は「試しに1本作って見せましょうか」と、無造作に置かれた砲弾の薬莢を手に取り、炉の中へ入れました。炉内の温度は1000〜1200度に保たれ、鋼材が溶けない程度に柔らかくなったところで叩き出し、焼き入れと冷却を繰り返しながら、少しずつ包丁の形に近づけていきます。
この一連の様子を見学すると、驚くべきはそのスピードです。砲弾の薬莢が完全な「金門包丁」に仕上がるまでの時間はわずか数十分。その神業のような技術には、ただ感動するばかりです。
「砲弾は空からの贈り物」職人が語る平和への願い
呉増棟氏に話を聞くと、「1歳から20歳まで砲弾の音を聞いて育ち、砲弾と一緒に成長してきたようなものです」「砲弾は、私にとって空からの贈り物です」と語りました。
この言葉には、さまざまな意味が込められています。例えば、無数の砲弾を原材料に転換できたことで、祖父や父の技術と思いを継承できたこと。そして、砲弾から生まれた「金門包丁」が、ある意味で「平和の象徴」となり得ることなどです。
呉増棟氏は、笑顔で次のように言葉を結びました。
「海向こうの中国大陸の人たちも、私たち金門人も、台湾人も元々は同じ中華民族。お互いに連携し平和的、友好的に過ごせるのが一番良い。砲弾を再利用して、新たな砲弾を作るのではなく、平和のために、人々に役立つものに再利用することに意義があると思っています」
Writer: 松田義人(ライター・編集者)
1971年、東京都生まれ。編集プロダクション・deco代表。バイク、クルマ、ガジェット、保護犬猫、グルメなど幅広いジャンルで複数のWEBメディアに寄稿中。また、台湾に関する著書、連載複数あり。好きな乗りものはスタイリッシュ系よりも、どこかちょっと足りないような、おもちゃのようなチープ感のあるもの。





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