気付けば残り1本に! 車内に「謎の部屋」がある? 大阪万博を2度経験した阪急“古参”電車の楽しみ方
阪急京都線などで長く使われてきた3300系電車の引退が進んでおり、残り1編成まで減っています。
音が楽しめる3300系
3300系は編成の組み換えを繰り返したことで、運転台撤去車両の連結位置が編成によって異なるなど、多数派ながら個性豊かな車両でした。
阪急電車は2010年代から前照灯のLED化が進んでいますが、3300系は昔ながらの白熱灯の電球が使用されています。
前照灯は前面の上部にあり、前面窓の下には標識灯と尾灯が設置されています。3300系の登場当初は、標識灯と尾灯を一体にしたものを窓の上に備えていました。冷房化と合わせて前面窓の上に種別表示器を備え、行先表示器の幅を広くした関連で、標識灯が下に移動しています。このスタイルは、6300系電車などに倣ったものです。
現在の阪急は、運転台にT形のマスコンハンドルを採用した車両が多数派です。T形のレバーを前後に動かすことで、加速やブレーキの操作を行います。しかし3300系は、左手側のマスコンで加速、右手側のブレーキ弁でブレーキの操作を行う2ハンドル式を採用しています。
3300系は電磁直通ブレーキを採用しています。ブレーキ弁で設定した圧力の大きさでブレーキの強さを決める仕組みです。ブレーキ弁には圧縮空気が供給され、ブレーキを緩めると余分な空気が排気されるため、「シュー」という空気の抜ける音が特徴です。
3300系は走行音も独特です。発車する際に「フーン」という3300系ならではの音をたてています。3300系は、2007(平成19)年頃から2010(平成22)年までは特急に使用されることがありました。最近は朝夕の準特急に使用される機会もあり、3300系の高速走行も堪能できました。
2026年現在で唯一残る3323編成は7両編成で、準急や普通列車を中心に使用されています。阪急京都線は駅の間隔が比較的長い路線ですが、3300系の高速走行を堪能するには少し物足りないのかもしれません。
3300系は阪急京都線や千里線、地下鉄堺筋線といった路線で当たり前に見られる車両でした。しかし、2014(平成26)年に廃車が始まり、すでに大半が後継の車両に置き換えられています。2025年以降は3323編成が最後の1本となりましたが、いつ引退しても不思議ではない状況です。
Writer: 柴田東吾(鉄道趣味ライター)
1974年東京都生まれ。大学の電気工学科を卒業後、信号機器メーカー、鉄道会社勤務等を経て、現在フリー。JR線の2度目の「乗りつぶし」に挑戦するも、九州南部を残して頓挫、飛行機の趣味は某ハイジャック事件からコクピットへの入室ができなくなり、挫折。現在は車両研究が主力で、技術・形態・運用・保守・転配・履歴等の研究を行う。鉄道雑誌への寄稿多数。資格は大型二種免許を取るも、一度もバスで路上を走った経験なし。





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