75歳の最古参が「グォォォン!!」と唸る 引退危惧の「吊り掛け電車」を楽しむならココ! “他とはちょっと違う区間”とは?
四国最大都市の松山市では、2026年で製造から75年の古参路面電車が今も走り続けています。持ち味である重厚な走行音を堪能できる区間で乗車しました。
「廃止されるか心配」という区間を横目に
古町の2つ先の本町6丁目は、環状線をショートカットするように国道196号の併用軌道を通って南堀端とつなぐ本町線(1.5km)の終点です。本町線には松山市駅と本町6丁目を結ぶ6番電車が走っていますが、運行は平日限り。平日も1日7往復走るだけで、終電は松山市駅発が12時38分、本町6丁目発が13時という早さです。
人口50万人弱の四国最大都市の中心部を走る路線とは信じられないダイヤで、他の路線を走る1~5番電車が日中も10~15分おきの多頻度運行なのとは対照的です。
松山市民は「伊予鉄道は本町線を減便したのは運転士不足が理由だと説明しているが、列車本数があまりにも少ないので廃止されるのではないかと心配する声を聞く」と話します。
最古参でもまだまだ現役!だって…
そんな本町線を横目に、電車は城北線の専用軌道をさらに進みます。ここからの区間は停留所名も面白く、木屋町、高砂町、清水町、鉄砲町と一番後ろに「町」が付く停留所が連続します。鉄砲町を通り過ぎ、赤十字病院前を通って平和通一丁目にたどり着きました。ここで専用軌道は終わりです。
吊り掛け駆動方式の独特な音色を響かせるモハ50形51号に揺られていると、古風なインテリアと相まって昭和時代にタイムスリップしたように錯覚します。それでも冷房改造し、無料で利用できる公衆Wi-Fi「Ehime Free Wi-Fi」を設けるなど、時代に合わせてアップデートしてきたのが製造から75年も生き残ってきた秘訣でしょう。
いぶし銀の魅力で乗客をひきつけ、もはや松山市の風景の一部として溶け込んでいるモハ50形51号が1日も長く走り続けられることを願ってやみません。
Writer: 大塚圭一郎(共同通信社経済部次長・鉄旅オブザイヤー審査員)
1973年、東京都生まれ。97年に国立東京外国語大学フランス語学科卒、共同通信社に入社。ニューヨーク支局特派員、ワシントン支局次長を歴任し、アメリカに通算10年間住んだ。「乗りもの」ならば国内外のあらゆるものに関心を持つ。VIA鉄道カナダの愛好家団体「VIAクラブ日本支部」会員。





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