道路舗装率、全国平均28%? 低すぎる数字は何を意味しているのか
アスファルト舗装と簡易舗装、統計ではなぜ区別?
――なぜ統計上区別されるのでしょうか?
簡易舗装を区別するようになったのは、1986(昭和51)年4月1日現在の調査からで、おそらく、自治体が道路整備計画を立案するうえで便宜を図ってのことでしょう。『道路統計年報』はそれら計画の基本となる資料であり、簡易舗装の割合がどれほどかがわかれば、メンテナンスの予算案を立てるうえでも役立ちます。
――この「簡易舗装」にも含まれない「未舗装」というのは、どのような状態なのでしょうか?
簡単にいえば、アスファルトまたはコンクリートで固められていない道路で、砂利道などが該当します。
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「簡易舗装を含まない舗装率」は、一般国道のなかでも国が管理する「指定区間」(実延長約2万3700km)で99.9パーセントに達しています。一方、一般国道と都道府県道の合計より5倍以上も長い市町村道(実延長約102万6700km)では19.3パーセントに留まっていますので、一般国道、都道府県道、市町村道を合計した舗装率は27.5パーセントになるというわけです。なお、それらにおける「簡易舗装を含む舗装率」は、2015年4月1日現在、81.6パーセントです。
国土交通省道路局は、「自治体などは、交通の実態に応じて適材適所でアスファルト舗装と簡易舗装を使いわけています。特に市町村道では、あまりお金をかける必要がないと判断され、簡易舗装が多く用いられます」といいます。
なお、基本的に表層と路盤からなる単純な簡易舗装に対し、『アスファルト舗装要綱』による舗装は、道路条件に応じていくつもの層から構成されます。耐用年数はおおむね、前者は5年、後者は10年とされています。
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ちなみにアスファルトは180度前後の温度で工場から出荷されて、人力ないし機械で道路に舗装(1層あたり5ないし15センチ前後の厚さ)され、転圧と冷却を繰り返してある程度温度が下がったら、更に上の層を舗装して、最後に一番上の表層(透水性など表層の種類によっては数日ないし数週間おいて)を舗装します。
ちなみにアスファルトが冷えきらないうちに舗装を踏むと、舗装も痛めますし、車のタイヤも靴底も痛めます(道路開放時点でもまだ暖かいです)。また、アスファルトを薄くすれば耐久性が減ります、厚くすればいつまでたっても冷えません。
ちなみにアスファルトは意外と熱に弱く、特に簡易舗装や工事後の仮復旧の場合(特に袋詰めで売っているもので舗装した場合)は真夏になると凄く壊れやすいです。
交通の実態に合わせて適切に選択しているのであれば、簡易舗装を含めた数字でも良いんじゃないでしょうかね
敢えて除外されてしまうと、簡易舗装が不適切な存在に見えて来てしまいます