県道ならぬ「険道」 数は「酷道」よりも膨大? 初心者にはお勧めできない道路たち

細く狭かったり、荒れ果てていたりする国道は、愛好家から「酷道」と呼ばれますが、総延長では国道をはるかに上回る都道府県道などにもそうした道路があります。たとえば県道は「険道」などと呼ばれますが、どのような道があるのでしょうか。

未成区間、点線区間、「階段県道」も!? 「険道」の実態

――「険道」などの道路にはどのようなものがあるのでしょうか?

 県道に絞って、紹介するに相応しいと思えるものを挙げていきましょう。

文字通り「険しい」県道

・栃木県道266号中塩原板室那須線(那須塩原市)

 栃木県北部の山間部を結ぶ全長50kmもの観光道路「塩那スカイライン」として構想され、一部未成に終わった道路です。その工事跡が、容易に近づけない山上に取り残されています。現在も県道に認定されていますが、多くの区間は年中通行止めのうえ、一部で「廃道化工事」が進められています。

・静岡県道288号大嵐(おおぞれ)佐久間線(浜松市)

 静岡県と愛知県にまたがる佐久間ダム湖の左岸を通る道路です。対岸を通る長野県道・愛知県道・静岡県道1号は3県を跨ぐ長大「険道」として知られているのですが、それよりもさらに険しい県道、いや廃道です。かつてはクルマも通れましたが、現在は崩壊が進んでおり、全線踏破は命懸けです。静岡県も管理の匙を投げてしまい、中間部の約8km(全長の半分弱)は正式に廃止されています。

「つながっていない」県道

・長野県道・群馬県道112号大前須坂線(長野県須坂市~群馬県嬬恋村)

 草津白根山(標高2160m)の近くで長野県と群馬県を結ぶ路線ですが、県境である毛無峠の群馬県側は、クルマはおろか、人も通り抜けることが難しい「点線県道」(国土地理院の地形図において、幅員1.5m未満の登山道などを示す表記と同じ点線で示される)です。付近にはかつて多くの鉱山があり、その遺構も豊富に残っています。長野県側から群馬県境部に達すると、通行禁止の看板やロープとともに「群馬県」と書かれた大きな標識が現れ、それもこの県道を有名にしています。

個性的?な県道

・神奈川県道515号三井相模湖線(相模原市)

 東京に最も近い険道のひとつです。1.7mという「幅員制限バー」(編注:道路の両脇に金属製のバーが立ち、クルマの通行を強制的に制限している)や、一部廃道化している区間もあるなど、「アトラクション」が盛りだくさんです。

・新潟県道50号小出奥只見線(魚沼市)

 全長約32kmのうち奥只見ダム側の「奥只見シルバーライン」と呼ばれる区間が有名で、とにかくトンネル、トンネル、トンネル、トンネル! トンネル好きなら一度は体験したい本邦最強の“もぐら”県道です。「奥只見シルバーライン」22kmのうちに19本、長さにして18km余りに及ぶトンネルがひしめきます。

・富山県道67号宇奈月大沢野線(黒部市~富山市)

 県道の中でも上位に位置する「主要地方道」でありながら、随所に不通区間があります。富山市寺家(じけ)にある3本のトンネルはどれも非常に狭く、「険道」ファンの心を掴んで離しません。

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栃木県北部の山間部を通る県道266号中塩原板室那須線(平沼義之撮影)。
神奈川県道515号三井相模湖線で見られる「幅員制限バー」(平沼義之撮影)。
「階段国道」ならぬ「階段県道」区間がある島根県道23号斐川一畑大社線(平沼義之撮影)。

・島根県道23号斐川一畑大社線(出雲市)

 島根半島を一巡する「主要地方道」ですが、途中に自動車通行不能区間があります。その一部は階段になっており、青森県にある有名な「階段国道」(国道339号)ならぬ「階段県道」というべき存在です。ほとんど誰も訪れないマイナーぶりが、かえって魅力です。

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コメント

3件のコメント

  1. 阿川弘之著 贋車掌の記(六興出版)(1982年)の中に、高度成長期の東北を自動車で旅行する話があるのですが、その中に酷道・険道・死道・懲道・損道といった言葉が出てきます。おそらくこれが一番最初ではないでしょうか。

  2. 広島県道では、三原の仏通寺裏手から三原久井ICに抜ける県道50号が酷かった。

    谷底から高度差最大100m位の山道ですが、幅員2m未満で離合不可能な区間が数km続き、路面はアスファルト舗装はほぼ剥落して雑草や落木が多い凄い道です。

    他にも県東部では福山市~神石高原町の400番台の県道はどれも酷い。

  3. 小出奥只見線は初心者でもゆっくり走れば安全です。大部分がトンネルの連続で、陽の光の差す普通の道が時々顔を出すという感じ。トンネルだらけの道を抜けたら、日本有数の大ダム、奥只見ダムが待っています。トンネルは掘りぬいたままで凸凹の岩肌が地下水で濡れ、独特の気分を味わえます。

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