県道ならぬ「険道」 数は「酷道」よりも膨大? 初心者にはお勧めできない道路たち
「酷道」のその先に… 膨大にある「険道」
――国道の「酷道」と、「険道」などを比べた場合、道路の見た目上の特筆すべきちがいはあるのでしょうか?
見た目上のちがいといえば、国道あるいは「酷道」には「おにぎり」と呼ばれる番号を示した標識があるのに対し、県道あるいは「険道」などには「ヘキサ」と呼ばれる六角形の標識があることくらいでしょうか。
国道は「指定区間」の有無によって管理者が異なっており、指定区間内は国(国土交通省)が、区間外は都道府県が管理しています。そして都道府県道も、その管理主体は都道府県です。「酷道」といわれるような国道は全て指定区間外ですから、管理者がともに都道府県であることからも、「酷道」と「険道」の見た目上に特筆すべき違いがないのです。
――「険道」ならではの特徴や見どころ、楽しみ方はあるのでしょうか?
まず、「険道」は「酷道」と成り立ちが異なります。現在ある「酷道」の多くは、過去に県道から昇格したものです。国道は複数の県道をまとめて1本のルートとして指定したものが多いため、異なる歴史的経緯を持つ道の集合であることが多いですが、「険道」はもっとシンプルな成り立ちのものが大半で、距離も国道よりずっと短いものがほとんどです。
「険道」は「酷道」以上にローカルな存在なので、民家の軒先を通るようなローカル色の強い風景がよく見られます。また、標識などで案内されず、一見してそこが県道だということがわからないようなものが多くあるのも、「険道」の特徴でしょう。
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平沼さんによると、「『酷道』のように時代にそぐわない状態のまま放置され、実質的に廃道状態となっている道が、特に県道には膨大にあります」とのこと。そのため、「酷道を巡りつくしてしまった人や、インターネット上にも踏破情報がないような道を自分で踏破したいと思うような人が、『険道』に注目している部分がある」といいます。平沼さんもまた、「手垢の付いた『酷道』ではなく、自分で調べて、何があるのかわからないような『険道』を踏破するのが好き」だと話します。
「とにかく膨大に数があるので、たくさん楽しみたい人にはもってこいです」(平沼さん)
ただし、ここで紹介したような「険道」には危険な場所もあり、立ち入り禁止となっている場合も少なくありません。現地に向かう際は状況を確認し、交通規制やルール、マナーを遵守するのはもちろんのこと、十分な装備をしたうえで、少しでも危険を感じた場合は撤退するよう、自重を心がけてください。
【了】
阿川弘之著 贋車掌の記(六興出版)(1982年)の中に、高度成長期の東北を自動車で旅行する話があるのですが、その中に酷道・険道・死道・懲道・損道といった言葉が出てきます。おそらくこれが一番最初ではないでしょうか。
広島県道では、三原の仏通寺裏手から三原久井ICに抜ける県道50号が酷かった。
谷底から高度差最大100m位の山道ですが、幅員2m未満で離合不可能な区間が数km続き、路面はアスファルト舗装はほぼ剥落して雑草や落木が多い凄い道です。
他にも県東部では福山市~神石高原町の400番台の県道はどれも酷い。
小出奥只見線は初心者でもゆっくり走れば安全です。大部分がトンネルの連続で、陽の光の差す普通の道が時々顔を出すという感じ。トンネルだらけの道を抜けたら、日本有数の大ダム、奥只見ダムが待っています。トンネルは掘りぬいたままで凸凹の岩肌が地下水で濡れ、独特の気分を味わえます。