米空軍次期練習機選定、ボーイングとKAIの「譲れない戦い」とは T-Xまもなく決着へ

米空軍の時期練習機選定がまもなく決着します。候補はふたつの陣営の機に絞られてきましたが、なかでも、ボーイングとKAIは互いに譲れない背景がありました。

米空軍の次期練習機をめぐる戦い

 アメリカ空軍におけるノースロップ・グラマンT-38「タロン」超音速ジェット練習機の後継機選定「T-X」がいよいよ本格的に始まろうとしています。

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ボーイングとサーブのT-X候補機、BOEING T-X(画像:ボーイング)。

 各飛行機メーカーは自陣営の航空機を続々登場させており、候補には韓国のKAI(韓国航空宇宙産業)とロッキード・マーチンが共同開発したT-50「ゴールデンイーグル」、ノースロップ・グラマンが開発したT-37の発展型、イタリアのレオナルドとレイセオン(米)が共同開発したT-100「マスター」、そしてスウェーデンのサーブとボーイングが開発したBTX(BOEING T-X)などが名乗りをあげました。

 しかし2017年に入ってからレイセオンとノースロップ・グラマンが選定開始以前に次々とドロップアウトを表明、現在はKAIとロッキード・マーチンのT-50、サーブとボーイングのBTXによる事実上の一騎打ちとなっています。

 T-50およびBTX両者ともに、異なる優位点を持っています。

 まずT-50は元の開発国である韓国空軍をはじめ、すでに多くの国に導入された実績があるため、採用のリスクが低いメリットがあります。なおT-50はすでに3機が墜落していますが、これらは機体の欠陥ではなく、あらゆる航空機で起こりうる人的要因の事故であることが明らかになっています。

 一方のBTXは、アメリカ空軍T-Xのために開発されたまったく新しい練習機であり、空軍のニーズに対してはより適合性が高く、またコスト面における優位点を持ちます。

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3件のコメント

  1. 信頼性で言えばボーイング・サーブ組が極めて有利。特にサーブは昔より航空機の開発能力では定評があった。KAIは技術的やアメリカが要求する品質が満たされない可能性が極めて高い。

  2. アメリカの新装備開発では常に発生している、予算超過で議会が中止させるという不安が…

    一部のライターが日本の防衛装備導入について、各幕僚部が欲しいものを政治は追認するだけと批判しているが、アメリカのように政治家が口出ししすぎるのもどうかと思う。

  3. 何だか民間が乗りにくい乗り物とか多いね、海豚や鯱も強引に乗れば記事になるだろうけどね