湾岸産油国の武器が多国籍すぎるナゼ 非効率のその先に見出すメリットとは

ペルシャ湾岸の産油国の多くは、その軍装備の購入先が実に多国籍なことになっています。洋や陣営の東西を問わないラインアップは仕様が異なることも多く非効率この上ないものですが、もちろん、そこには彼らのしたたかで巧みな意図があります。

多国籍な装備のデメリットと、その先にある意図

 湾岸産油国の多くは空軍だけでなく、陸軍の装備も複数の国から導入しています。

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「IDEX」でデモンレーションをおこなうUAE陸軍の「ルクレール」戦車(上)とBMP-3歩兵戦闘車(下)(竹内 修撮影)。

 筆者(竹内修:軍事ジャーナリスト)は2015年に、UAEの首都アブダビで隔年開催されている、防衛装備展示会「IDEX」の取材に初めて行ったのですが、会場で行なわれたUAE陸軍の戦闘デモンストレーションでは、戦車はフランス製の「ルクレール」、戦車と行動を共にする歩兵を輸送する歩兵戦闘車はロシア製のBMP-3、そのほかの歩兵を輸送する装甲兵員輸送車はトルコ製のACV-15、戦場でのパトロールなどに使用する軽装甲車はアメリカ製のM-ATV、155mm砲を搭載して火力支援を行う自走砲は南アフリカ製のG6、核攻撃や生物化学兵器が使用された地域の偵察を行なうNBC偵察車はドイツ製の「フクス」という、多国籍感あふれる組み合わせには、いささか度肝を抜かれました。

 戦闘機にせよ戦闘車輌にせよ、複数の国から導入すると、弾薬や予備部品の調達が複雑になるというデメリットがあり、純粋な軍事的観点から見ると非効率以外の何物でもありません。しかし中東諸国が非効率的な兵器の導入を続けていることにも、当然のことながら理由があります。

 兵器の輸出は本体の売却で得る金額のほか、その後の部品の供給などでも、輸出国に利益をもたらします。中東諸国はこれを逆手に取り、高額な兵器を導入し、アメリカやヨーロッパ諸国、ロシアなどにまんべんなく恩を売ることで、これらの国々に自国の味方となるよう働きかけているのです。

 カタールは2017年6月、イランとの接近などを理由に、サウジアラビアをはじめとする中東諸国から断交されています。ユーロファイター「タイフーン」28機の導入とダッソー「ラファール」12機の追加導入を、それから半年後の同年12月に決定しています。これは中東諸国に一定の影響力を持つイギリスとフランスに恩を売り、自国と断交した国々に対して圧力をかける役割を担ってほしいという期待が込められていると見られています。

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コメント

3件のコメント

  1. このままだと必ず中東は最悪の状況になるな

  2. 武器の調達を多数の国から行うのは、言われてみればもっともなことだと思う。

    1国に絞れば武器の使用やメンテナンスのノウハウが共有できて効率的だ。

    値引きも受け易いし、相手国とも友好的な関係を築き易いだろう。

    だが、このやり方はマイナス面も大きい諸刃の剣だ。

    相手国の武器に全面的に依存すれば、その国に弱みを握られることにもなる。

    万が一その国と敵対したときには致命的だ。

    武器の弱点は知り尽くされているし、仕様も本国のものよりは劣るだろう。

    だからリスクヘッジの観点からは多数の国から調達する方が好ましい。

  3. もっとも使っているのが傭兵(輸出国兵士)だったりすることが多々あるけどな。

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