湾岸産油国の武器が多国籍すぎるナゼ 非効率のその先に見出すメリットとは

ペルシャ湾岸の産油国の多くは、その軍装備の購入先が実に多国籍なことになっています。洋や陣営の東西を問わないラインアップは仕様が異なることも多く非効率この上ないものですが、もちろん、そこには彼らのしたたかで巧みな意図があります。

兵器外交はいずれ日本にも?

 中東諸国の兵器輸入を用いる外交の範囲は拡大の一途を続けており、アメリカや西欧諸国だけでなく、ロシアや中国やトルコといった国々からの兵器の導入も増えつつあります。

 アメリカや西欧諸国はイスラエルへの配慮やイスラム原理主義勢力などへの流出を避けるため、F-35のような最新鋭兵器やMQ-9「リーパー」のような武装可能なUAV(無人航空機)の輸出と技術移転を自粛していますが、当然中東諸国はアメリカや西欧諸国のこうした姿勢に不満を持っています。UAEはロシアとのあいだで高いステルス性能を持つ小型の新戦闘機の共同開発に合意したほか、サウジアラビアとUAEは中国から武装可能なUAV「翼龍」を導入しています。これは軍が必要とする兵器を導入したというだけでなく、アメリカや西欧諸国とは利害が相反する中国であっても、有用であれば我々は手を組むというメッセージも込められています。

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サウジアラビアやUAEなどが導入した中国製UAV「翼龍」(竹内 修撮影)。
「IDEX」でUAEの投資ファンドのブースに展示された「翼龍」の大型模型(竹内 修撮影)。
UAE陸軍が導入するフィンランド製の装甲車「AMV」(竹内 修撮影)。

 中東諸国には原油の輸出で得た資金を活用するための投資ファンドが多数存在していますが、いくつかのファンドは兵器メーカーが開発、製造する製品に対する出資も行なっています。これまで投資ファンドの出資先はアメリカや西欧の企業の製品が中心でしたが、近年では中国企業への投資も増えつつあり、UAEの投資ファンドは前に述べた「翼龍」の開発に出資したことが明らかにされています。

 UAEは航空自衛隊が運用している新型輸送機「C-2」に対して、高い関心を示していると言われています。UAE空軍はC-2よりも大型で航続距離の長い、アメリカ製のC-17輸送機を6機保有しており、UAE軍の規模からすれば十分すぎるほどの航空輸送能力を持っています。

 UAEは兵器の国産化にも積極的に取り組んでおり、2016年には陸軍の新装甲車として、技術移転に積極的な姿勢を示した、フィンランドのパトリアが提案した「AMV」を採用しています。もしかするとUAEには、アメリカや西欧諸国に比べてイスラエルに過剰な配慮をしておらず、中東諸国とも友好的な関係を築いている日本からC-2を導入し、それを糸口に技術移転を受け、将来航空機の開発に乗り出したいという戦略が秘められている……のかもしれません。

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コメント

3件のコメント

  1. このままだと必ず中東は最悪の状況になるな

  2. 武器の調達を多数の国から行うのは、言われてみればもっともなことだと思う。

    1国に絞れば武器の使用やメンテナンスのノウハウが共有できて効率的だ。

    値引きも受け易いし、相手国とも友好的な関係を築き易いだろう。

    だが、このやり方はマイナス面も大きい諸刃の剣だ。

    相手国の武器に全面的に依存すれば、その国に弱みを握られることにもなる。

    万が一その国と敵対したときには致命的だ。

    武器の弱点は知り尽くされているし、仕様も本国のものよりは劣るだろう。

    だからリスクヘッジの観点からは多数の国から調達する方が好ましい。

  3. もっとも使っているのが傭兵(輸出国兵士)だったりすることが多々あるけどな。

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