実は進化している通勤電車の座席 バネからウレタンへ、人間工学に基づく設計も

人間工学に基づく新型座席を採用

 ここ数年、首都圏の大手私鉄が相次いで導入している通勤ライナーは、帰宅ラッシュ時に快適な座席に着席して帰れる列車です。一部のライナーは座席の向きを変えられるデュアルシート(マルチシート)を装備した車両が充当され、ライナー運用時は基本的に進行方向を向いたクロスシート、それ以外はロングシートで使われています。

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通勤ライナーが一般列車の運用に就くときは、座席の向きが変わるが掛け心地は変わらない。写真は東武50090型のマルチシート(画像:児山 計)。

 ライナー以外の運用では座席の向きこそ変わりますが、座席そのものは快適なライナー用。そのゆったりとした座席を普通運賃だけで利用できます。

 元々、このデュアルシート車両は、関西の近鉄で「L/Cカー」などとして存在していましたが、これが首都圏の輸送事情にマッチして、東武東上線の「TJライナー」を皮切りに西武鉄道や京王電鉄も採用。東急電鉄も大井町線・田園都市線に投入することを発表しています。

 また、新交通システムのゆりかもめ、東京都交通局日暮里・舎人ライナー、埼玉新都市交通「ニューシャトル」などは、三菱重工が人間工学に基づいて開発した新型座席「G-Fit」が一部車両に採用されています。この座席はロングシートながら背面に15度の角度を持たせ、座面も疲れにくい高さと奥行きを実現した座席で、体にぴたっと吸い付くような独特の掛け心地です。

 このように、通勤電車の座席も時代とともにどんどん改良され、快適になっています。特に複々線化などの抜本的な改良が行われ、輸送力に余裕が出てきた路線では、収容力重視から快適性重視への方針転換もみられはじめています。これからますます、快適な通勤電車が増えていくことが期待できそうです。

【了】

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コメント

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11件のコメント

  1. 座席に相当こだわってる京阪を紹介してやれよ。
    このサイトって関東の記事しか書けないのか?

    • 筆者が関東在住だったら致し方ない。知ったかぶりでそれ以外の地域の事を記事にしたらそれはそれで批判するんでしょ?だったら最初から触れない(触れてくれない)方がいい。

    • 関東でも京急がないですからね。
      京急も座席にこだわりや新技術(大コケしたけど)出してますし。

  2. L/Cの乗り心地って最悪だと思うんだけど……

    • 西武のそれは、思ったほどかけ心地は悪くなかった。少なくとも近鉄や東武、JR東日本よりは良い。後発隊とあって研究したのかもしれない。京王についても、思ったほど悪評は聞かない。

  3. 京浜東北線で901系に初めて乗ったとき、色々な部分のお粗末さに絶望感を味わったが、座席と袖仕切りの設置だけは感心した。
    正直E233系の座席は幅が拡がったのはともかく、柔らかくされたのは少し残念。
    209系の固いシートの方が疲れなかった。
    今後は座席の幅一人分を完全に仕切る小さな壁を立て、袖仕切りは網棚の高さまでにしてもらいたい。
    座席の仕切り壁は大阪環状線の優先席で取り入れてるようなので、他の路線でもできるはず。
    仕切りがあれば、座席で寝る奴は排除できるw

  4. 個々の好みでの話になってしまうが、やはりバネの方が良かった。ソファーとベンチ、どっちに座りたいか?と問われれば、ソファーを選択したい。
    E233系の座席が軟らかくなったのが残念という意見があったが、私は大歓迎だ。
    Eシリーズもこれだけバージョンを重ねると出来が良くなるなと、心底感心したものだ。

  5. そんなことよりシート仕切り廃止しろや。勝手にサイズ決めて合わない奴は座るなという圧力は完全なる差別やろ

    • 減量の努力をしようよ。
      健康の為にも。ね?

      二人座れるはずのところ、
      一人で占拠するのもねえ。

  6. 果たして人類は何処まで快適な鉄道の旅を楽しむ事が出来るのか?

  7. 817系3000番台に一回乗ってみるといいぞ