旧ソ機MiG-21は過去の遺物にあらず 退役進む一方、別モノ派生機が第三世界の空へ?

旧ソ生まれのMiG-21(ミグ21)は、ベトナム戦争を戦った、もはや骨とう品といえる戦闘機です。世界中で退役が進む一方、紆余曲折の末完成したその派生機が今後、アフリカや中南米の空軍へ導入されるかもしれません。

東側陣営のベストセラー機へ

 ベトナム戦争での実績に加えて、旧ソ連が当時の同盟国に対して、本国仕様よりもやや性能の落ちるMiG-21を安価に供給したこともあって、MiG-21は1万機以上が製造されるベストセラー戦闘機となりました。

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ベトナム戦争でアメリカ軍のF-4「ファントムII」などと互角以上に戦ったベトナム空軍のMiG-21(画像:アメリカ空軍)。

 ちなみに1980年代、中東戦争でアラブ諸国が運用していたMiG-21を鹵獲(ろかく)したイスラエルから、航空自衛隊に対してMiG-21や、同じ旧ソ連製のMiG-19を、参考資料として購入しないかとの打診があったようです。

 交渉を担当された当時の航空自衛隊の幹部の方のお話によれば、お値段は1機あたり「高いベンツ1台分」とのことでしたが、予算が確保できずお流れになってしまったようです。実現していれば日の丸を付けたMiG-21が日本の空を飛んでいたかもしれないと思うと、ちょっと残念な気もします。

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ポーランド空軍を退役後、アメリカの「イントレピッド・ミュージアム」に展示されているMiG-21(竹内 修撮影)。

 1991(平成2)年の旧ソ連の崩壊以降、旧ソ連の同盟国であった東ヨーロッパ諸国は、冷戦時代に敵対していたNATO(北大西洋条約機構)に加盟するためにMiG-21を捨て、ポーランドはF-16、チェコとハンガリーはJAS39「グリペン」を導入。さらにソ連の崩壊によって生まれたロシアも、財政難などの理由でMiG-21を退役させてしまいました。

 さらに1980年代から90年代にかけてのレバノン紛争、1991年の湾岸戦争で、F-15やF-16といった新世代のアメリカ製戦闘機の前になす術もなく撃墜され、「ヤラレメカ」というイメージが固まってしまったこともあって、インドネシアやフィンランドといった国々も、より能力の高いアメリカ製の戦闘機でMiG-21を更新しています。

 また、現在も運用を続けているインドやルーマニアでも新戦闘機による更新が決定。北朝鮮やキューバといった、外交上や財政上の理由で新戦闘機を入手できない国では運用され続けるでしょうが、今後も退役は進んでいくものと思われます。

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