F-16の低空飛行映像が公開に 米軍機はなぜ低空飛行をするのか、その目的と法的な是非

ここでも顔を出す「日米地位協定」、航空法は適用除外!

 日本とアメリカとのあいだには、「日米地位協定」というものが結ばれています。これは、日米安保条約に基づき日本に駐留する在日アメリカ軍について、その運用の円滑性を確保するために、日本国内における施設、区域の使用やアメリカ軍の地位について規定したものです。そして、その協定に基づいて在日アメリカ軍が日本国内で実用的、実戦的な訓練を行う環境を整備することで、パイロットなどの技能向上を可能とし、またそうすることで即応体制を維持するために、上記の航空法の一部規則の適用をアメリカ軍機などに関して除外するという内容の「航空特例法(日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定及び日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う航空法の特例に関する法律)」というものが存在します。これによって、アメリカ軍機に関しては航空法の規制が適用除外となっているのです。

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F-16「ファイティングファルコン」は1974年初飛行。南北アメリカ、欧州、アジア、アフリカと、世界の多くの国々で運用されている(画像:アメリカ空軍)。

 しかし、アメリカ軍も自由に低高度を飛行しているわけではなく、飛行ルートにおける危険物などのチェック、低空飛行を運用即応態勢上の必要性から不可欠と認められるものに限定、原子力エネルギー施設や民間空港の回避、人口密集地などに関する考慮、パイロットや機体整備員なども含めた飛行前の事前準備、航空法規定の自発的な適用など、さまざまな影響最小限化策や安全対策などを施しています。

 ただし、それと同時に騒音や安全に関する不安を抱える地元住民への配慮についても、より一層強化していくべきでしょう。

【了】

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コメント

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6件のコメント

  1. 乗り物ニュースで何故軍事ニュース?いらないよ。

  2. 国際情勢が複雑に絡み合う空の安全保障問題

  3. 四国のオレンジルートは海兵隊の岩国に近いからよく使っているけど、これがグリーンルートだろ。
    だけど結局はともに北朝鮮の攻撃目標に地形が似ているだけの話だろう。
    別に昔からしているだけの話だけどな。
    まぁたまには落ちるけどな。

  4. 地方民には地下鉄の話題よりいいよ。

  5. 地元に住んでいたため動画としては最近ですが低空飛行任務は10年近く前からすでにありました。実際に低空飛行が見られる場所もいくつか知っています。

  6. この記事に、メディアの無責任さ、受ければ良い感を感じます。
    これについて説明したければ、次の一文で済みます。
    「日米地位協定」、航空法は適用除外!
    メディアは、問題提起し、改善案を示すべきでしょう。
    特に最後の一文、
    >ただし、それと同時に騒音や安全に関する不安を抱える地元住民への配慮についても、
    >より一層強化していくべきでしょう。
    不安を抱える地元住民に不安をあおっているのはこの記事です。
    また、配慮とはどのようにするべきなのか。現実的に実施できる方法は?
    本当に重要なことがありません。