カナダ新戦闘機めぐる紆余曲折 F-35開発に出資も導入は白紙 どうしてこうなった?

ボーイング、七転八倒

 ボーイングのライバルであるエアバスは、CS100と130席クラスのCS300の生産やセールスで、ボンバルディア・エアロスペースとの提携を模索していました。

 ボンバルディア・エアロスペースとカナダ政府は当初、エアバスとの提携に対して消極的な姿勢を示していましたが、前述したボーイングの提訴を受けて方針を転換しエアバスとの提携に合意。エアバスは関税のかからないアメリカ国内に、CS100とCS300の生産ラインを開設して、アメリカ国内でのセールスを拡大していく方針を打ち出しています。そして2018年7月10日(火)、エアバスはCS100を「A220-100」、CS300を「A220-300」へ改称することを発表、ボンバルディアの両機はこれで、名実ともにエアバスのラインナップへ組み込まれることになりました。

 アメリカ国際貿易委員会は2018年2月に、CS100(A220-100)がアメリカの企業や労働者に打撃を与えないとの判断を下し、A220-100は2018年後半からデルタ航空に納入が開始されます。F/A-18E/F「スーパーホーネット」の輸出によって得られたはずの利益を失い、A220-100の代わりに737をデルタ航空に売ることもできず、おまけにボンバルディア・エアロスペースとエアバスとの提携を加速させてしまった国際貿易委員会への提訴は、ボーイングにとってまさに「虻蜂(ホーネット)取らず」で、かつ「泣きっ面に蜂」といったところでしょう。

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一度はF/A-18A/Bの後継機に選定されたF-35A(竹内 修撮影)。
新戦闘機導入までのつなぎとして一度は導入が決まったF/A-18E「スーパーホーネット(竹内 修撮影)。
F/A-18A/B後継機候補の一つであるJAS39グリペンNG(竹内 修撮影)。

 そしてカナダ政府はくだんの「中継ぎ」用戦闘機として、オーストラリアから同国空軍が運用しているF/A-18A/B「ホーネット」を18機導入すると発表。機体の引渡しは2019年前半から開始されると見られています。

 さらに、カナダで防衛装備品の調達を担当する公共調達省は2017年12月から、F/A-18A/Bの後継機種選定を改めて開始しており、現在F-35AとF/A-18E/F、ダッソー・ラファール、サーブJAS39グリペンNG、ユーロファイター・タイフーンの5機種について、メーカーから寄せられた提案内容の吟味を行なっています。カナダ政府は新戦闘機の入札にあたって、過去に提案したメーカーがカナダに経済的な損害を与えたことがあるかどうかも機種選定にあたっての基準となると述べており、その時点でF/A-18E/Fは不利になると見られていました。

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コメント

1件のコメント

  1. ボーイング社が強引とのこと。ゴーイングか。