機関砲から眺める航空兵器の脅威 陸自「L-90」高射機関砲が臨んだ実戦待機とは(写真12枚)

長らく使用された陸自の「L-90」高射機関砲には、2度の実戦待機経験があります。それらの史実を通し、戦闘機やヘリコプターの脅威を機関砲の側から眺めてみました。

化学兵器の散布を阻止せよ!

 時は変わり平成の世、再びL-90の力を借りる時が現れました。それが1995(平成7)年3月22日から始まったオウム真理教の強制捜査です。この新興宗教はその2日前に「地下鉄サリン事件」(死者13人、負傷者約6300人)という無差別化学テロを引き起こしていたため、強制捜査はそれ以前から実施することが決まっていたものの、捜査員はガスマスクや化学剤検知器(鳥かごに入ったカナリアは有名)を携行し、機動隊が周囲を警戒するなど物々しい雰囲気のなか行われました。

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アフガニスタン空軍のミル17ヘリコプター(画像:アメリカ空軍)。

 その捜査になぜL-90が必要になったかというと、それはオウム真理教が旧ソ連製のミル17(Mi-17)ヘリコプターを所有していたからです。警察の強制捜査に対抗してこのミル17を急きょ発進させ、上空からAK-47自動小銃を撃ったり、場合によってはサリンをはじめとした化学剤を散布したりする可能性があったからでした。そのため捜査対象となった山梨県上九一色村(現、富士河口湖町)のサティアン地区近傍の北富士駐屯地には、静岡県御殿場市の駒門駐屯地から第1高射特科大隊所属のL-90が前進展開し、万一の際にはすぐさま撃墜できるよう即応体制で待機していました。なおサティアン地区と北富士駐屯地は直線距離で約15km離れていました。

 こちらも実際にオウム真理教がヘリを飛ばすことはなかったため、幸いにして射撃することなく終わりましたが、さすがにこの頃はミサイルも小型高性能化した時代、なぜあえて旧式化しつつあった対空機関砲を用いたのでしょう。

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1件のコメント

  1. ドローン等が増えた現在、実弾系の再配備もした方がいいのでは?

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