西日本豪雨で出動「レッドサラマンダー」も! 日本を守った軍用装甲車ルーツの消防車

有珠山の噴火にも出動

 耐熱救助車/耐熱装甲型救助活動車はまた、耐熱救難車が冷却用パイプを装備していたのと同様に輻射熱から車体を保護するため、その周囲17ヵ所に自動噴霧装置を装備していました。なおかつ、有毒ガス検知器を装備し、さらに車内気圧を外気圧よりも高めることで外気をシャットダウンできる陽圧装置や高性能エアコンも装備、酸素が欠乏しやすい石油化学コンビナート火災のような現場でも活動可能な能力を有していました。

 ちなみに乗車定員は6人、ボディは大きくなりましたが上述したように様々な装置を搭載したため、収容人員は東京消防庁の「耐熱救難車」よりも少なくなっています。

 横浜市消防局の車両は実際に2000(平成12)年3月の北海道有珠山噴火の際に、緊急消防援助隊の一員として現地に派遣され、警戒区域内に取り残された民間人の救出に出動するなど活躍しましたが、横浜の車両も北九州の車両も共に2009(平成21)年に廃車になっています。

 消防車というとポンプ車やレスキュー車のようなトラックベースの車両が主流ですが、実は軍用装甲車ベースの車両も配備されていたのです。これはこれでひと味違うカッコよさですよね。とはいえ、「レッドサラマンダー」含めて実際は活躍しない方が本当は幸せなのはいうまでもありません。あくまでも活躍の場は訓練のみであって欲しいものです。

【了】

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コメント

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1件のコメント

  1. これは被災地までトレーラーで輸送するのかな?
    何だかんだで15tくらいありそうだから単体車じゃ積載オーバーだろ