英次世代機「テンペスト」どんな戦闘機? YF-23似のシルエット、そのコンセプトとは

無人機型と共にパイロットひとりで編隊飛行も

「Combat Air Strategy」の発表会と「テンペスト」の実物大模型のお披露目式典の終了後、BAEシステムズの展示場内で「テンペスト」のメディア向け説明会が開催され、イギリス空軍と研究に参加するBAEシステムズ、ロールス・ロイス、レオナルド、MBDAの担当者から、「テンペスト」に盛り込まれる能力などについての詳細な説明が行われました。

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ステルス性能を考慮した独特な形状の「テンペスト」の垂直尾翼(竹内 修撮影)。

 それによれば「テンペスト」は、パイロットが搭乗する有人機型とほぼ同サイズの無人機型を同時に開発し、有人機型の「テンペスト」と、無人機型の「テンペスト」で編隊を組んで運用する能力を備えるほか、有人機型にパイロットを乗せない状態、つまり無人機として運用することも検討されているとのことです。

 また将来の発展性の確保と運用の柔軟性の確保にも重きが置かれており、ステルス性能を損ねずに航続距離を延伸させるコンフォーマル(装着型)燃料タンクや、ミサイルなどの兵装搭載量を増やすコンフォーマル・ウェポンベイ(兵器倉)の装着を前提とした設計や、胴体内部に兵装を搭載するウェポンベイを機体から取り外し可能とする構想も明らかにされています。

 コクピット(操縦席)には立体映像を投影する装置が設置されるほか、敵味方の位置情報などは、パイロットが状況を認識しやすい三次元映像で表示されます。

 兵装はミサイルや精密誘導爆弾などに加えて、レーザーや強力な電磁波を照射して敵のレーダーやミサイルの誘導装置を無力化する、高エネルギー兵器を搭載することも構想されており、敵のAWACS(早期警戒管制機)や地上のレーダー施設などへの攻撃能力を持たせることも検討されているようです。

 展示された「テンペスト」の大型模型は、その機首部や垂直尾翼の形状について、1990年代にノースロップ(現ノースロップ・グラマン)がアメリカ空軍のF-15後継機計画「ATF」(先進戦術戦闘機計画)用に開発した試作戦闘機のYF-23に近い形状という印象を受けましたが、前にも述べたように、今回展示された実物大模型はあくまでも現時点における「テンペスト」の概念を形にしたもので、説明会では必ずしもこのままの形状で実用化される訳ではないとの説明がなされています。

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コメント

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2件のコメント

  1. みんな「風」っぽい名前

  2. フランスやドイツとかは共同開発で組まないのだろうか? もしかして「日本なら言う事聞くだろう」って事か? 実際ユーロファイタータイフーンの時には、フランスが言う事聞かなかった訳だし。