英次世代機「テンペスト」どんな戦闘機? YF-23似のシルエット、そのコンセプトとは

日本が共同開発に参画の可能性は…?

 説明会に出席したイギリス空軍の高官とBAEシステムズの幹部は、「テンペストのドアは常に開かれている」と述べていますが、イギリスは以前からユーロファイター「タイフーン」の後継機を単独開発ではなく、同盟国や友好国と共同開発したいという意向を示しています。

Large 180726 tempest 06

拡大画像

独特な形状を持つ「テンペスト」の主翼(竹内 修撮影)。

 2018年7月17日付のロイターはイギリス空軍幹部の話として、日本やスウェーデンと共同開発に向けた話し合いを行なっていると報じていますが、16日に行なわれた発表会には、日本の防衛装備の調達を管轄する防衛装備庁の高官も出席しています。また説明会後に筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)がイギリス空軍の幹部に取材したところ、どの程度の情報を開示したかは明らかにしてくれませんでしたが、防衛装備庁が発出した、航空自衛隊のF-2後継機の情報提供要求に対して、「テンペスト」の情報を提供したと述べています。

 防衛装備庁は2017年3月にイギリス国防省とのあいだで、将来戦闘機と無人航空機を含む将来戦闘航空システムについて、日英両国の協力の可能性を探る取り決めを締結しています。とはいえ、航空自衛隊は過去にヨーロッパ製戦闘機を導入したことがなく、F-2後継機が国際共同開発となる場合でも、アメリカ企業、とりわけ第5世代戦闘機の開発で世界をリードしているロッキード・マーチンと組む可能性が高いと見られていました。

 ただ、7月16日付の読売新聞は、本命と目されてきたロッキード・マーチンのF-22にF-35の技術を盛り込む案に対して、防衛省幹部が開発費や機体の単価が高騰するとの難色を示したと報じており、この報道が事実であれば先行きは不透明になりつつあると言えます。

 7月20日(金)付のロイターは、ボーイングの防衛部門のトップであるリアン・カレットCEOが、「テンペスト」の開発への参画に関心を寄せていると報じています。ボーイングは防衛・民間の双方で日本の航空産業と深いつながりがあり、防衛省や航空自衛隊からも信頼を得ています。もしボーイングが「テンペスト」の開発に参画し、イギリスと協力して日本に「テンペスト」の共同開発への参画を提案することになれば、「テンペスト」がF-2後継機のベースとなる可能性も十分にあるのではないでしょうか。

【了】

この記事の画像をもっと見る(7枚)

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

2件のコメント

  1. みんな「風」っぽい名前

  2. フランスやドイツとかは共同開発で組まないのだろうか? もしかして「日本なら言う事聞くだろう」って事か? 実際ユーロファイタータイフーンの時には、フランスが言う事聞かなかった訳だし。