航空機メーカー再編へ、エアバス×ボンバルディア「A220」発表 その時ボーイングは?
A220シリーズ=旧Cシリーズはどんな飛行機?
三菱航空機が開発を進めている「MRJ」にも採用されているギヤード・ターボファン・エンジンは、現在ジェット旅客機のエンジンとして主流となっているターボファン・エンジンに比べて燃費性能が高く、「737」と「A320」に使用されているエンジンよりも約20%、「737MAX」と「A320neo」のエンジンと比べても約10%、燃料消費量が少なくなっています。ギヤード・ターボファン・エンジンには、騒音も従来のターボファン・エンジンに比べて小さく、ロンドンのシティ空港のように市街地に近く、騒音規制の厳しい大都市圏の空港を離着陸する路線でも運用できるという強みもあります。
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エアラインにとって経営上の悩みのタネのひとつである、燃料費を節減できる「Cシリーズ」に対するエアラインの評価は高く、2008年から2018年までの11年間で、スイス・インターナショナル・エアラインズやドイツのルフトハンザ、大韓航空といった大手のエアラインから、合計402機の受注を獲得しています。
ただ、すでに「737」と「A320」を運用しているエアラインの多くは、パイロットや整備士の教育に時間がかかることや、ボンバルディア・エアロスペースのサポート体制が、ボーイングやエアバスに比べれば弱いことなどから、「737MAX」の4649機、「A320neo」の6143機(いずれも2018年6月末の発注数)に比べて、大きく水をあけられていました。
「Cシリーズ」の受注のなかには、2016年4月にデルタ航空が発注した「CS100」75機も含まれています。ボーイングのお膝元であるアメリカのデルタ航空からの発注により、「Cシリーズ」の発注には弾みがつくものと見られていましたが、ボーイングはこの契約について、ボンバルディア・エアロスペースがカナダ政府からの補助を受けて、「737」に比べ安い価格をデルタ航空に提示できたとの理由で2017年6月、アメリカ国際貿易委員会に対して提訴を行ないました。
実のところエアバスは数年前から、「Cシリーズ」の事業への参画を目論んでおり、水面下でボンバルディア・エアロスペースに打診を行なっていました。「A320」シリーズには機体の大きさの異なる複数のモデルが存在しますが、そのなかで最もサイズの小さい座席数100席クラスの「A318」は、A319、A320、A321で実施された燃費性能の高い新エンジンを搭載するモデルシリーズ「neo(New Engine Option)」の開発が計画されていません。
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