戦車と自走砲、なにが違うの? 総火演の見方も変わるおさえておきたい基礎知識

戦車と見た目が似ている自走砲とは?

 次に自走砲とは、大きな砲弾を射撃する大砲に、自らの動力を使って移動(自走)することができるようにした兵器です。戦車と同じように装甲が施され、その多くが装軌式となっています。大きな弾を射撃するのは戦車と変わりませんが、使用する砲弾は戦車よりも大きなものになる場合がほとんどです。

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155mm砲を射撃する「99式自走155mmりゅう弾砲」(矢作真弓撮影)。

 大砲そのものは、戦車よりも昔から使われていました(注:ここでいう戦車に、古代ローマなどに見られるような馬に引かせる戦車〈チャリオット〉は含みません)。初期の大砲は人間や馬が、自動車が登場してからはトラックなどの大型車両でけん引していました。

 大砲は、目的地まで移動させる時の形状と、射撃をする時の形状が違います。移動させるときは、コンパクトに畳めるようになっているものが多く、射撃するときは、強い反動にも耐えられるように安定した形状になります。そのため、移動時の形状から射撃時の形状に変形させるために時間がかかるので、移動してすぐに射撃することができず、どうしてもタイムラグが生じます。そこで開発されたのが、自走できる大砲。つまり自走砲が誕生することになったのです。

戦車はまっすぐ撃つ、自走砲は基本曲げて撃つ

 戦車も自走砲も大きな砲弾を射撃することはわかりました。では、実際の運用ではどう違うのでしょうか。

 戦車は、敵の戦車を攻撃するために発展してきました。そのため、戦車の撃ち出す弾は、その弾の運動エネルギーを敵の戦車に直接ぶつけて、敵の分厚い装甲にダメージを与えることを主目的とします。そうした理由もあり、戦車の弾はまっすぐ飛びます。相手を直接狙う直接照準射撃であるため、これを直射といいます。同じ直射兵器には、ライフルやマシンガンなどがあります。極端な例としては、弓矢や吹き矢も直射兵器といえるでしょう。

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コメント

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3件のコメント

  1. 軍事ネタいらねーよ。自衛隊は好きだけど、乗り物ニュースを名乗っておきながら軍事ネタは不快。

    • お前のコメントが不快

  2. いいか、「自走砲は戦車と一緒だぜヒャッハー」と軍トップ自体がやらかして壊滅した部隊もあるんで見分けには気をつけろよ。